HiraShineのたわごと

アニメを中心に映画などの感想を書くブログです。

ペンギン・ハイウェイ 感想(ネタバレ有り)『お姉さんの存在感が強い、考察からスペクタクルまでお楽しみ要素満載のジュブナイルSF』

さてさて、出来るときにやっちゃいますよ~。

心のままに思いをぶちまく映画感想ブログでございます。

 


今回は

ペンギン・ハイウェイ

 

です。

ネタバレ全開、心情全開、暴走全開で参ります(笑)

 あ、原作小説は読んでおりません。

 

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 公式サイト予告特報動画より引用

 

 

個人的好感度:★★★(★5個中)

◆こんな人におススメ

◆こんな人にはいまいち

  • 物語の謎や広げた風呂敷は綺麗に解決して畳まないと気が済まない人
  • ませ気味の生意気な子供やお姉さんの女性像が苦手な人
  • 長時間の上映に耐えられない人

 

◆初見の率直な感想


映画好きの人が、見終わったあとにやる

映画の謎や表現の解釈についての考察を、

映画の中で見せられているという印象を受けた映画でした。

 

巷で騒がれているおっぱい、小賢しい少年とお姉さんとのおねショタ

おねショタ

おねショタ!?

おねショタ…。

 

あ、はい、

確かにおねショタです。

自分が求めているおねショタとは違うんだよなぁ…。
(少し具体的に言うと人間関係がファンタジーじゃなく若干重いところです)

 

 

あと、

このお姉さん像、小学四年生の感覚で見たら…。

全くときめきませんでした(苦笑)

その辺りのところはまた後ほど。

アオヤマ君に共感するよりも、保護者的視点で見守る形で見ていました。

 

しかしながら、アニメーションのクオリティの良さや物語の上手さは流石で
個人的には話の主軸になるアオヤマ少年とお姉さんの関係を見せられるのが
合わなかったというだけで、
決して駄作とか全然面白くなかったというわけではなく、
作品自体は良作で、許容できる人や映画評論家には
大変ここちが良いアニメ映画であることは確かなんですよね。

ハートウォーミングあり、ちょっとした冒険あり、
夏休みならではの世界観あり、スペクタクルあり、
大人に抗う子供たちあり、クライシスからのセカイ系的展開あり、
SF的不思議展開あり

ジュブナイル物に求められるものの多くを詰め込んでいるだけでなく、
多少予想していた内容とズレていたとしても十二分に楽しめる
お楽しみ要素が大変盛り沢山な王道のアニメ映画でした。

 

◆この映画の個人的共感ポイント


唐突ですが子供たちが主役の物語は好きな方です。
子供たちだけの秘密基地や冒険にはそそられるものがあります。

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 公式サイト予告特報動画より引用 こんな画を見るだけでわくわくさせられます!

 

あとは、鮮やかな街の風景描画も好きです。
若干鮮やかすぎてツイッターで挙げられていたモデル地との落差に肩を落としましたが
それでも引きで街を映したときのワクワク感は本当に何ともいえないものがあります!

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公式サイト予告特報動画より引用 実在のモデルがある街の引きの風景をもっとアニメでみたい!

 

子供たちで言えば、アオヤマ君以外の子供たち

ウチダ君、ハマモトさん、スズキ君等

若干キャラクター色があるものの、共感することができましたね。

特にウチダ君、君は私の子供の頃にそっくりではないか(笑)

ハマモトさんのお姉さんを敵視するその感覚、
嫉妬のそれとは違いますが、メタ的に自分も解るぞ!!(笑)
子供の世界に大人が邪魔しにくるんじゃねぇよ!!

スズキ君のひねくれているけど真っ直ぐなところも解る!
(ただし、小便かけるのは止めろ(苦笑))

ジュブナイル物に限ったことではないのですが、
この手の青春系の物語を見るときは、
自分の当時の頃の経験と照らし合わせて共感できるところを探って
楽しんでいるのですが、この3人はまさに当たりで、
共感しづらいアオヤマ君の物語に潤いを与えてくれるような感じでしたね。

あと、この手の物語で欠かせないのが、

大人の理不尽に抗う子供たちですよ。

期待通りのオイシイ部分も結構多くありましたね。

 

◆小賢しくて(落としています)考察バカ(褒めています)のアオヤマ君


他の方の感想を覗いていますと、意外とアオヤマ君に共感できるという人が多くて
驚きました。

 

お前ら…そろいもそろってインテリだらけだな(笑)

 

いや、解らないことに疑問をもって探求していく姿勢には共感できるんですよ。
でも、その探求へのアプローチの仕方が自分の子供の頃とは全然違うんですよね。

アオヤマ君は論理的に考察して謎を解き正解へと導くタイプなのに対して、
自分は正解よりも少しの考察に直感とひらめきを重視して我を張るタイプで、
スズキ君みたいにひねくれたところもあるタイプだったんですよね。

だからアオヤマ君みたいな子とは仲良くできるかもしれないけど、
面倒くさいと感じてしまうんですよ。

あと決定的に違うのがノートにまとめることが滅茶苦茶苦手だったということです。
正直、中学や高校に行ってもまともにノートをとるのが大の苦手だった人なので
こんなの共感できるわけねぇだろ!!ってわけです(苦笑)

 

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公式サイト予告特報動画より引用 こんなハイクオリティなノート、小学生が描くノートじゃねぇ!ファンタジーだ!

 

自分の周りを見渡しても、小学校から高校まで常に学年1位で、
地元の高校から東大へ行った奴もいましたが、
切り替え上手なやり手タイプだったので、やはり想像がつかないわけです。

テレビのニュースでやっている
夏休みの自由研究がえらいことになって全国区で紹介された小学生
みたいなところで辛うじて理解する程度なんですよね。

 

それと…

”怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。
そうすると心が大変平和になるんだ”

(アオヤマ君)

 

んなわきゃねーだろ

バーカ!!

今からお前のあだ名はおっぱいだ!

おっぱい!おっぱい!

あ、自分ウチダ君タイプなのでこんなことは言いません(笑)

 

最近の子は解りませんが、少なくとも自分の体感では、
小学校四年生でおっぱいといえば、
母親から乳離れ出来ない意味で蔑むおっぱいと、
女子の性的なものに興味があるという意味で蔑むおっぱいの
丁度境界の頃だと思うんですよね。

感想でおっぱいおっぱいとのたうち回っているお前ら、
それは青春(あるいはその手のコンテンツ)をひと通り経験した大人だから言えるおっぱいだろ(笑)

 

解るか?小四でおっぱいに興味があるなんて口走ろうものなら、
上に書いたみたいに格好の叩きの対象にされるんだぞ(笑)

ウチダ君、君とは美味い烏龍茶が飲めそうだ(笑)

 

勿論、アオヤマ君のおっぱいは性的なものというよりは、
純粋に探求心から来るおっぱいだということは解ります。
それでも、律儀に成人指定コンテンツの縛りを守ってきた自分にとっては、
違和感全開だよ!!解るかお前ら!!(笑)

 

 

◆お姉さんェ…。


この物語の最大の個人的に無理だったところは、

お姉さんです。

 

お前何者んだよ…。

 

なんと言うか…個人的な印象ですけど憧れの理想のお姉さん像としては

やけに前時代的な印象がしてなりません(笑)

 

90年代中~後半の頃のトレンディドラマの女性像みたいな。

もっと具体的な名前をあげるとしたら、

 

酒と毒と男を抜いた葛城ミサトだよこれは(笑)

新世紀じゃないよ…この感覚は旧世紀のものだよ…。

旧劇場版エヴァの最後のシンジとミサトのやりとりが気持ちが悪くて、
それ以来葛城ミサトが大体嫌いになった自分としてはアレなんですよ。
どうやらバストサイズもFカップで同じらしいですし、ペンギン使いだし(笑)

エヴァ葛城ミサトのことは長い間忘れていましたが、
まさかこのお姉さんで思い出されることになるとは…。

 

 まぁ、ここまでは個人的な好みの話で済むんですけどね。

 

子供の頃(かなり先まで)の自分の感覚だと、世代が違う年上の女性って
ほぼほぼ嫌悪感しか抱いていなくて、

ビールの宣伝ポスターで、ビキニ姿の女性がジョッキ片手に立っているのとか、
マガジンなどの少年漫画誌に、たまに掲載される水着姿のグラビアとか、
ただひたすら気持ちが悪かったんですよね。
(今見てもちょっと抵抗があります。それも少年漫画を好まなかった要因のひとつでした)

アニメ版打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のなずなは、
大人の女性っぽく見えるから良かったのではなく、
地位的に対等で身近な同級生が魅力的に見える点が個人的には良かったのです。
実写版からアニメ版で典道となずなのビシュアルの距離感が縮まったのは
むしろ良いと感じていたのですよね。

 

というわけですのでズバリ言いましょう。

アオヤマ君とお姉さんの距離感が気持ち悪いんですよ!

 

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公式サイト予告特報動画より引用 この保護者とも恋人とも何ともいえない距離感…ひたすら虚無になるひとときでした。

 

 


お姉さんは成熟した成人女性ですよ…。

お友達の女性はいないのですか!?
何故アオヤマ君のことばかり相手にしているのですか!?
(途中いなくなる期間がありましたが)
物語の特性上仕方がないのですが、このような不自然な部分も気にかかります。

 

最初は近所の小学生をお姉さんが保護者感覚で相手するような感じで
キービジュアルのイメージから、他の子も交えてずっとそれで続いていくものだと
思って見ていたのですが…。
徐々に自分の部屋にアオヤマ君だけを招き入れたり、
一緒に海まで出かけようとしたり…。

これは最初の方よりも一歩踏み込んでいますよね!?

劇中で描かれている範囲なら全然問題ないでしょうが、
それ以上踏み込むと下手したら犯罪だぞこれ(笑)


自分は今まで関係性や性格付けがファンタジー
2次元のおねショタコンテンツを楽しんできましたが、
生々しさがある小学生男子と生々しさがある成人女性による
友達以上恋人未満な関係の気持ち悪さを改めて感じてしまいました。


正直、成人向け漫画に出てくるようなファンタジーな一話完結の
遊びの関係のそれよりも、心が重く交わっている分個人的にはキツイものがありましたよ。一時おねショタが全部無理になるかというところまで行ったわけで…。

 

往々に考察を重ねていく過程でこうなったのですが、
過去の自分のことと、この二人の関係で、この物語を見て、

おねショタが苦手だという方の感覚がなんとなくですが
解るようになってしまうとは想像していませんでした。

 

この二人の関係性は保護者の立場(笑)からは黙認ということで(笑)

今は多様性の時代ですからね~。

まだまだ物語に触れる経験が足りないなぁ(苦笑)

 

 

◆この物語の客観的視点(?)からの問題点と不満点の個人的考察


この物語の個人的な部分を差し引いた問題点について語ります。

まずこの映画…長いです。

119分ですよ…この物語の主軸であるアオヤマ君とお姉さんとの関係を楽しめる方でしたらそれほど長くは感じないでしょう。

しかしながら、私のような人(笑)や、子供連れの方にはこの長さはきつかったのではないでしょうか?

ちなみに先の子供向けの映画プリキュアは70分。

実に1.7倍ですよ!

これだけ長いと少なくとも小学校低学年以下の多く子供は集中が続かないんじゃないでしょうか。

それに売店でオレンジジュースを買って飲みながら見ていたら、

多い子なら上映中に2回以上トイレ退出を余儀なくされたのではないでしょうか?

この映画、端から小学校低学年以下の子供はターゲットにしていない気がします。

ジュブナイル物って基本的に大人が昔を懐かしんだりして楽しむもの

ということでよろしいのでしょうか。

 

体感の話、自分が見た回だと大人ですが上映中の出入りが比較的激しかったのと、

エンドロールで急いで去っていった方がいつもより多かった印象を受けました。

あと、ペンギンのスペクタクルを求めていた人は中盤の展開がダレて長く感じるかも。

 

それ以外だと…特に大きな問題は無いかな。

画は全体的に綺麗です。しかしながら、

未来のミライや打ち上げ花火の類のようなエフェクトどっかーんで凄いのとは違って、

作画の凄さで魅せる感じでしょうか。

ただ、お姉さんの作画デザインが微妙にばらけている感が少しありましたが。

 

性的消費の感想の話。

感想は人それぞれです。実際に見てそう感じたのであれば、
批判意見は来るやもしれませんが、私は堂々としていればよいと思います。
あと、語り手と受け手で認識に違いが生じることはよくあることですし、
作品自体は悪くはありませんので作り手としては無理に配慮をする必要はありません。
もし配慮をするなら、この映画を不快に感じるあなたに紹介した知人(?)が配慮をしなければならなかったんじゃないですかね。

 

お姉さんの謎が解けていないところに不満を感じる方を見受けますが、
お姉さんの謎が解けてしまうということは、アオヤマ少年の青春が閉じてしまうことになります。

青春とは可能性です。

アオヤマ君の青春は謎に考察で立ち向かいお姉さんに近づくことなのです。

これは自分の考えなのですがジュブナイル物で主人公の少年の青春が閉じてしまうこと、可能性が無くなってしまう最後はバッドエンドです。作中でお姉さんの秘密が明るみになるということは、小学生の子供から青春を奪ってしまうことになるんですよ。

ちなみにハマモトさんのお父さんは、娘の研究を盗み見て娘から可能性を奪ってしまおうとしたんですよね。ここはアオヤマ君のラストと対比になるかな?

これはアニメ版打ち上げ花火も同じで、最後、解釈にもよりますが典道の青春は閉じていません。

ラストの根本的な部分はアオヤマ君も典道も同じなんですよね。

 

色々と語りましたが、全体的には付け入るスキの少ない傑作ですよこれ(笑)

 

◆配点、勧める方の補足とまとめ


評価についてですが、★5つ中、★3つとつけています。

クオリティ的には4や5と比べても遜色はないのですが、

私自身物語の主軸に乗れなかったことと、

個人的には未来のミライやアニメ版打ち上げ花火の方が良かったので、

この点数を付けました。

あくまでも個人的好感度ですから(笑)

 

それにしても低評価が付きづらい映画たとも感じましたね(笑)

まず想定外(ジュブナイル苦手、おねショタ苦手、胸キュンドラマ希望、重いリアルなドラマ希望等々)の人は、キービジュアルを見ただけでまず見に来ることは無いでしょう。

微妙に予想していたのと違うと感じた人も、上映時間が長い分手広く楽しませる要素があったので、思いっきり低評価を付けるのははばかれるでしょうし。

それだけよく出来た長編アニメーションだったということだと思います。

何度も言いますが私の評価が高くないのは、話の主軸のアオヤマ君とお姉さんの関係が

個人的な感覚では合わなくて共感出来なかった。だけの話なんですよね。

(あ、あと夏の物語には特にこだわっていませんし、SFもそんなに好きじゃないです)

 

 

こうして感想を書いていると、

何だかんだ言っても自分もペンギン・ハイウエィを楽しんでいるなぁと(笑)

 

 

↓流石にここまで考察するには至れないよなぁ。自分の感覚的には(苦笑)

 

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