HiraShineのたわごと

アニメを中心に映画などの感想を書くブログです。

映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ 感想(ネタバレ有り)『世界よ、これが日本のヒーロープリキュアだ!』

今年もこの時期がやってきました(笑)

 

今回は

映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ

 

です。

今年の秋映画は前情報からサプライズのてんこ盛り(笑)

HUGっと!のTV版は大体鑑賞済み。今回もネタバレ全開でぶちまいていきます。

 

 

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 公式サイト予告動画より引用

 

個人的好感度:★★★★★(★5個中)

◆こんな人におススメ

◆こんな人にはいまいち(今回ばかりは願わくばそれでも見てほしい!)

  • ヒーロー物の展開が苦手な人
  • 3DCGのアニメーションが苦手な人
  • 説明台詞が苦手な人

 

◆初見の率直な感想なのです


 

ああ…眼福。15年の歴史は伊達じゃない!

これまでのプリキュアの集大成、オールスターズの映画であり、

プリキュアの原点、初代のふたりはプリキュアの映画であり、

そして何よりも、最先端現行のHUGっと!プリキュアの映画であり、

更にはシリーズを通しての一貫したメッセージ性と、

監督の作家性(趣味や好み)も反映した(ここはあくまでも私の主観ですが)要素を

僅か70分強の短い時間でまとめ上げて上手く成立させてしまった

とんでもない内容の映画なんですよ!凄すぎです!

 

この映画は女の子を始めとするプリキュアファンの為だけの映画なのか?というと

必ずしもそうじゃないんですよね。

社会的なメッセージ性のある児童向けのアニメが好きな方でしたら

大人でも満足することができる内容になっていると感じました。

 

それと、今作はこれまでのCGと作画のミックスで作られた

プリキュアの劇場作品の中でもその差に一番違和感無く作られた

とても美しい映像作品でもあったのですよね!

 

音楽も各シリーズを反映したアレンジになっていましたし、

バトルアクションシーンも期待通りの熱いものでしたし、

お約束のミラクルライトの使用シーンも、今までにない激熱な展開であることに加え、

それ以外でも劇中でプリキュア達がミラクルライトを使うことで、

自然と使いたくなる工夫がされていてよかったと思いました。

 

初回を見たときはもう最初から最後までいろんな尊さが混ざりあって泣きっぱなし(笑)

プリキュアの映画としては欠点なんてほぼない素晴らしい映画でしたね!

 

◆アクションが熱いアニメなのです!


 

女の子が主人公の活躍するアニメといえば、

可愛らしいとか優しい展開を思い浮かべるかと思いますが、

もちろんそれもあるのですけど、やっぱり

プリキュアといえばバトル

なんですよね!

 

初っ端から横浜を舞台に初代の3人がやってくれます!

殴る蹴るのアツい肉弾戦を!

プリキュアのコンセプトは女の子だって暴れたい!ですからね。

今回のこの映画でも前半は主に作画で、後半はCGで、

下手なアクションバトル物顔負けのアクションを見せてくれました!

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 公式サイト予告動画より引用 こんな美しい世界で女の子たちが殴って蹴って戦うんですよ! 

それでいて可愛い衣装に身を包んで女の子らしい仕草も見せるんです。

子供をはじめ多くの人から愛されてきた理由のひとつがここにあるんですよね。

 

◆メッセージ性も凄いアニメなのです!


 

プリキュアはシリーズによって愛だったり夢だったりとテーマが異なりますが、

共通しているのが主に中学生の女の子が変身して戦うということです。

 

今年のHUGっと!プリキュアは、育児がテーマのひとつにあるのですよね。

この映画の劇中では、敵のミデンの攻撃によって

プリキュアが赤ちゃんにされてしまいます。

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 公式サイト予告動画より引用 よく見ると各キャラの特徴が表れていますね(笑)

カワイイって思ったでしょ!?

ねぇ!?カワイイって(笑)

 

でもそれだけじゃないのがこの映画の凄いところで、

現行の主人公の野乃はなと初代の美墨なぎさのふたりだけで

赤ちゃんにされてしまった仲間のプリキュアの面倒を見なければならない

シーンが出てくるんですよ。

そこは映像としてはとても可愛いのですが、

ひとりの子をあやしていたら、ほかの子が悪さをしだしたり、

脱走したりともう大変……。

 

ついにはなは耐えられなくなってしまって泣き出してしまいます。

そこでプリキュアなのにしっかりしろ!(かなり雑な要約です)みたいな

ことを言われてしまうんですよね。

でも、そこで先輩格のなぎさが言うんですよ、

プリキュアだって普通の中学生なんだよ!

って。

 

子供向けの作品だからといって、決して赤ちゃんを育てることは

キラキラしていて素敵なことだけでは終わらせない、

可愛く描きつつも育児の厳しさや辛さも描いているんですよね!

可愛さとシビアさのバランスが絶妙なんですよ。

これは簡単に出来ることじゃないと思います。

 

 

そしてこの映画でのもうひとつのメッセージ性の源泉、

敵として出てきたミデンの存在です。

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 公式サイト予告動画より引用 怖い敵キャラですが最後まで見たら共感できるのですよ。

ミデンはプリキュア達の記憶を奪い、赤ちゃんにしてしまうのですが、

いくらプリキュアの記憶を奪っても満たされません。

 

はなとなぎさは自分たちの中にある仲間たちとの思い出から、

仲間たちを復活させて一度はミデンを撃退します。

私には仲間がいるから辛いことがあっても乗り越えられる!(要約)

 

その言葉に怯むミデン。

ミデンは時代に捨てられたフィルムカメラで、

孤独ゆえに満たされない感情を満たすために

プリキュア達の記憶を奪っていたのです。

 

そうして再びミデンと会いまみえた時、

キュアエールこと野乃はなは自答するのです。

(仲間が戦っている中、ひとり自問自答する姿がまたカッコいい!)

 

そうしてはなはミデンの心に寄り添う道を選ぶんですよね!

 

その後、復活した各プリキュア達がそれぞれのスタンスで

キュアエールとミデンを後押しするのです。

 

真のミデンの感情に触れはなと和解した(ここの演出も凄い)ミデンは

最後に55人のプリキュア達によってミデンは倒されるのではなく

救われるのですよね。

 

プリキュアを愛する大人たちだけでなく、

世間から後ろ指を指されそうな趣味を持っていて

満たされない感情を抱えている孤独な大人たちは、

きっとミデンに心底感情移入できたのではないかと思います。

 

そんな人にでさえ、

プリキュアは等しく癒しと救いを与えてくれるんですよ。

 

 

世の中生きていくのは辛くて苦しい、

だから子供向けのアニメで語られるメッセージなんて綺麗事だ!

実際そうなのでしょう。

 

でもだからこそ、その純粋なメッセージが重く心に響いて

辛い世の中を明日へと生きる大人たちの活力と癒しとなるのだと思います。

 

◆キャスト・スタッフについて考えるのです


 

今作の監督は宮本浩史、過去作では

プリキュアのエンディングでのCGダンスを作られたり

映画 Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!! プリキュアとレフィのワンダーナイト!の1本でオールCGの物語を担当し、

映画 プリキュアドリームスターズ!では丸々監督を担当された方です。

これらの作品から、個人的には

プリキュアの枠を超えた物語を作られる方というイメージがあります。

 

ツイッターアカウントのフォローをして拝見していたのですが

この映画の制作の環境は相当大変だったということが、

ツイートの一端から垣間見えていました。

そもそもプリキュアの映画は毎年2本つくられているのですよね。

人員も多く体制が整っていると思われる東映アニメですが、

他の名作劇場アニメは何年もかけて作られる中、前作のドリームスターズから

2年も経たずにこの映画が作られたんですよ!凄い事じゃないですか!?

 

さらに、カメラが劇中の物語の鍵になるアイテムとして出てきたときは

もう鳥肌が立ったんですよね!

監督はツイッターでカメラ趣味についても語られていたので、

これはひょっとして監督の作りたかった作品でもあるんじゃないか(あくまでも私の勝手な想像です)!?

と感じたのですよ。

 

脚本の香村 純子、この人もなかなか面白い人です。

スーパー戦隊を中心に主に特撮の脚本をやっている人で

動物戦隊ジュウオウジャー仮面ライダーウィザード

現行の怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー

などを作られていて、プリキュアだと、

バトルがアツかったGo!プリンセスプリキュアの脚本をされていた方です。

今作でのバトルの魅せ方がアツいものに仕上がっていたのは、

これらの脚本経験がある方だったからだというところも

大きかったんじゃないかと思います。

 

そしてミデンのキャストの宮野真守

あのネットリしているけど巧妙な巧の技が垣間見れる演技は

ガチの本職声優じゃないと出来ないでしょうね!

ゾンビランドサガといい本当に今一番イケイケな声優のひとりですね(笑)

 

 

それと歴代プリキュアのキャストを全員そろえたところも、

お祭りスペシャル的な映画だからとはいえ凄いところですよね!

 

◆本編を見なくても楽しめますが見てほしいのです


 

今作は、ファン向けのファンサービスが満載の映画ではありますが、

上に書いたようにプリキュアを見ていなくても

楽しめる要素がある映画となっています。

特に若おかみは小学生!を見て賞賛している大人の皆さん、

今回の映画プリキュアには高坂希太郎が若おかみでは描かなかったものがあります。

 

第一印象はどこからどう見ても子供&ファン向けで、

その内容もかなり子供向けのファンタジーに寄っていますが、

内に秘めたるメッセージ性は相反する面もあるとはいえ、

(具体的に言うと若おかみの減私とはプリキュアは真逆です)

決して劇場版若おかみは小学生!には負けていません!

(減私と自己実現の相反する物語ですが、実ははなとおっこの目指すところに、

あまり違いはないのですよね。そこがまた面白いのです)

 

恥ずかしさを承知で若おかみは小学生!を見に行って衝撃を受け、

シン・ゴジラや海外のメッセージ性の高いアニメが好きな方なら、

きっと楽しむことが出来ると思います。

 

とはいえ、ファン向けのファンサービス満載の映画ですから、

本編等を見た方がより楽しめるのは間違いありません(笑)

 

現在公式ホームページから各シリーズの1話を無料で見ることができますが、

やはり何よりも現行のHUGっと!プリキュアを見てほしいですね!

特に19話と23話です。

キュアエールこと野乃はなが何故ミデンに寄り添うことが出来たのか

という背景がより深く描かれています。

 

個人的に好きな19話の下りですが

後にプリキュアになるえみる(この時点ではまだなっていない)に兄から

「女の子はヒーローになれない。帰ろう」

と言われたくだりから、野乃はなが

「誰の心にだってヒーローはいるんだよ!

 人の心をしばるな!」

って言い返すんですよね。

 

おそらくメッセージ性のあるアニメが好きな方なら

良い言葉だなと思われるかもしれませんが、

これ、人の心をしばるなといって人の心をしばる自己矛盾なんですよ。

事実その後、はなの言葉でえみるの兄は変わるわけではなく、

(それで変わってしまったら完全な綺麗事になります)

「最悪だな」

とえみる兄は返します。

(その後えみる兄は自分の中から変わります)

 

このエピソード、良い言葉を言ったから良いでも、

自己矛盾の正義で他人を縛ろうとするからいけないでもなく、

その言葉を対人関係で辛い経験をした中学生のはな言ったから凄いエピソード

なんですよ。

あややほまれは、基本的に自分自身と向き合う悩みなのに対し、

後から解るのですが、はなは対人関係で悩みを抱えていたのですよね。

そんなはなだからこそ言えた、はな自身が苦しんだからこそ出てきた

(言わざるをえなかった)言葉だと私は思います。

 

そしてそのはなの辛い過去の背景が23話で描かれるのですよね。

でも彼女には支えてくれる両親がいて、その後友達もできたのです。

 

裏表なく楽しくて前向きでちょっと苦いところもあり生き方をも語る物語、

そんな素敵な物語から多くのプリキュアを愛する大人たちも、

元気をもらっているのです。

 

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公式サイト予告動画より引用 ギャグもしっかりあるんだぜ(笑)

 プリキュアはみんなのヒーローなのですよ!

 

◆まとまらないけどまとめるのです


 

今回、特に目にとまったのが、ミラクルライトの使い方です。

ラクルライトは映画プリキュアではお馴染みの、

来場特典で子供たちに無料で配られる小型のライトなのですが、

プリキュアがピンチになった時にライトをつけて振ることで応援して

プリキュアが復活する(ように見せる)メタな仕組みなのですが、

(ちなみに売店では大人も買えるスペシャル仕様のミラクルライトも売っています)

今回はミラクルライトの使い方も素晴らしかったです!

 

プリキュアとの思い出が復活の鍵となったので

子供だけでなくプリキュアとの思い出がある人すべてが参加できる

参加型劇場ライブ映画になっていたんですよね!

 

※大人でも応援したかった!応援上映に相応しいと思ったそこの映画好きのアナタ!

プリキュアの映画では毎回こんなこともやっているのですよ。

(公開日初日の午前0時からの上映なので今回はもう終わりましたが)

 

 

15年の歴史があるからこそなせる業ですよ(笑)

それ以外でもプリキュア自身がライトを手に振るシーンがあったので、

自分が見た劇場では自然と子供たちがライトを点けて振っていました。

 

個人的にはこの映画がプリキュア映画のベストではありませんが、

(決して欠点があるわけではなく、ベストの映画がサプライズの嵐と感情移入の極限だったので)

映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズは、

プリキュアの魅力が詰まった素晴らしい映画だという事には違いありません!

 

もし世界から、

日本のメッセージ性の高い子供向けのアニメは?

あるいは

日本のヒーローは?

と尋ねられたら、胸を張って堂々と

プリキュアです。

と答えればよいと思っています。

 

それだけプリキュアは凄いコンテンツだということを改めて知らしめしてくれた映画でした。

 

 

↓やはり私なんかとは全然違って素晴らしい考察だ(笑)

 

blog.monogatarukame.net