HiraShineのたわごと

アニメを中心に映画などの感想を書くブログです。

ペンギン・ハイウェイ 感想(ネタバレ有り)『お姉さんの存在感が強い、考察からスペクタクルまでお楽しみ要素満載のジュブナイルSF』

さてさて、出来るときにやっちゃいますよ~。

心のままに思いをぶちまく映画感想ブログでございます。

 


今回は

ペンギン・ハイウェイ

 

です。

ネタバレ全開、心情全開、暴走全開で参ります(笑)

 あ、原作小説は読んでおりません。

 

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 公式サイト予告特報動画より引用

 

 

個人的好感度:★★★(★5個中)

◆こんな人におススメ

◆こんな人にはいまいち

  • 物語の謎や広げた風呂敷は綺麗に解決して畳まないと気が済まない人
  • ませ気味の生意気な子供やお姉さんの女性像が苦手な人
  • 長時間の上映に耐えられない人

 

◆初見の率直な感想


映画好きの人が、見終わったあとにやる

映画の謎や表現の解釈についての考察を、

映画の中で見せられているという印象を受けた映画でした。

 

巷で騒がれているおっぱい、小賢しい少年とお姉さんとのおねショタ

おねショタ

おねショタ!?

おねショタ…。

 

あ、はい、

確かにおねショタです。

自分が求めているおねショタとは違うんだよなぁ…。
(少し具体的に言うと人間関係がファンタジーじゃなく若干重いところです)

 

 

あと、

このお姉さん像、小学四年生の感覚で見たら…。

全くときめきませんでした(苦笑)

その辺りのところはまた後ほど。

アオヤマ君に共感するよりも、保護者的視点で見守る形で見ていました。

 

しかしながら、アニメーションのクオリティの良さや物語の上手さは流石で
個人的には話の主軸になるアオヤマ少年とお姉さんの関係を見せられるのが
合わなかったというだけで、
決して駄作とか全然面白くなかったというわけではなく、
作品自体は良作で、許容できる人や映画評論家には
大変ここちが良いアニメ映画であることは確かなんですよね。

ハートウォーミングあり、ちょっとした冒険あり、
夏休みならではの世界観あり、スペクタクルあり、
大人に抗う子供たちあり、クライシスからのセカイ系的展開あり、
SF的不思議展開あり

ジュブナイル物に求められるものの多くを詰め込んでいるだけでなく、
多少予想していた内容とズレていたとしても十二分に楽しめる
お楽しみ要素が大変盛り沢山な王道のアニメ映画でした。

 

◆この映画の個人的共感ポイント


唐突ですが子供たちが主役の物語は好きな方です。
子供たちだけの秘密基地や冒険にはそそられるものがあります。

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 公式サイト予告特報動画より引用 こんな画を見るだけでわくわくさせられます!

 

あとは、鮮やかな街の風景描画も好きです。
若干鮮やかすぎてツイッターで挙げられていたモデル地との落差に肩を落としましたが
それでも引きで街を映したときのワクワク感は本当に何ともいえないものがあります!

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公式サイト予告特報動画より引用 実在のモデルがある街の引きの風景をもっとアニメでみたい!

 

子供たちで言えば、アオヤマ君以外の子供たち

ウチダ君、ハマモトさん、スズキ君等

若干キャラクター色があるものの、共感することができましたね。

特にウチダ君、君は私の子供の頃にそっくりではないか(笑)

ハマモトさんのお姉さんを敵視するその感覚、
嫉妬のそれとは違いますが、メタ的に自分も解るぞ!!(笑)
子供の世界に大人が邪魔しにくるんじゃねぇよ!!

スズキ君のひねくれているけど真っ直ぐなところも解る!
(ただし、小便かけるのは止めろ(苦笑))

ジュブナイル物に限ったことではないのですが、
この手の青春系の物語を見るときは、
自分の当時の頃の経験と照らし合わせて共感できるところを探って
楽しんでいるのですが、この3人はまさに当たりで、
共感しづらいアオヤマ君の物語に潤いを与えてくれるような感じでしたね。

あと、この手の物語で欠かせないのが、

大人の理不尽に抗う子供たちですよ。

期待通りのオイシイ部分も結構多くありましたね。

 

◆小賢しくて(落としています)考察バカ(褒めています)のアオヤマ君


他の方の感想を覗いていますと、意外とアオヤマ君に共感できるという人が多くて
驚きました。

 

お前ら…そろいもそろってインテリだらけだな(笑)

 

いや、解らないことに疑問をもって探求していく姿勢には共感できるんですよ。
でも、その探求へのアプローチの仕方が自分の子供の頃とは全然違うんですよね。

アオヤマ君は論理的に考察して謎を解き正解へと導くタイプなのに対して、
自分は正解よりも少しの考察に直感とひらめきを重視して我を張るタイプで、
スズキ君みたいにひねくれたところもあるタイプだったんですよね。

だからアオヤマ君みたいな子とは仲良くできるかもしれないけど、
面倒くさいと感じてしまうんですよ。

あと決定的に違うのがノートにまとめることが滅茶苦茶苦手だったということです。
正直、中学や高校に行ってもまともにノートをとるのが大の苦手だった人なので
こんなの共感できるわけねぇだろ!!ってわけです(苦笑)

 

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公式サイト予告特報動画より引用 こんなハイクオリティなノート、小学生が描くノートじゃねぇ!ファンタジーだ!

 

自分の周りを見渡しても、小学校から高校まで常に学年1位で、
地元の高校から東大へ行った奴もいましたが、
切り替え上手なやり手タイプだったので、やはり想像がつかないわけです。

テレビのニュースでやっている
夏休みの自由研究がえらいことになって全国区で紹介された小学生
みたいなところで辛うじて理解する程度なんですよね。

 

それと…

”怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。
そうすると心が大変平和になるんだ”

(アオヤマ君)

 

んなわきゃねーだろ

バーカ!!

今からお前のあだ名はおっぱいだ!

おっぱい!おっぱい!

あ、自分ウチダ君タイプなのでこんなことは言いません(笑)

 

最近の子は解りませんが、少なくとも自分の体感では、
小学校四年生でおっぱいといえば、
母親から乳離れ出来ない意味で蔑むおっぱいと、
女子の性的なものに興味があるという意味で蔑むおっぱいの
丁度境界の頃だと思うんですよね。

感想でおっぱいおっぱいとのたうち回っているお前ら、
それは青春(あるいはその手のコンテンツ)をひと通り経験した大人だから言えるおっぱいだろ(笑)

 

解るか?小四でおっぱいに興味があるなんて口走ろうものなら、
上に書いたみたいに格好の叩きの対象にされるんだぞ(笑)

ウチダ君、君とは美味い烏龍茶が飲めそうだ(笑)

 

勿論、アオヤマ君のおっぱいは性的なものというよりは、
純粋に探求心から来るおっぱいだということは解ります。
それでも、律儀に成人指定コンテンツの縛りを守ってきた自分にとっては、
違和感全開だよ!!解るかお前ら!!(笑)

 

 

◆お姉さんェ…。


この物語の最大の個人的に無理だったところは、

お姉さんです。

 

お前何者んだよ…。

 

なんと言うか…個人的な印象ですけど憧れの理想のお姉さん像としては

やけに前時代的な印象がしてなりません(笑)

 

90年代中~後半の頃のトレンディドラマの女性像みたいな。

もっと具体的な名前をあげるとしたら、

 

酒と毒と男を抜いた葛城ミサトだよこれは(笑)

新世紀じゃないよ…この感覚は旧世紀のものだよ…。

旧劇場版エヴァの最後のシンジとミサトのやりとりが気持ちが悪くて、
それ以来葛城ミサトが大体嫌いになった自分としてはアレなんですよ。
どうやらバストサイズもFカップで同じらしいですし、ペンギン使いだし(笑)

エヴァ葛城ミサトのことは長い間忘れていましたが、
まさかこのお姉さんで思い出されることになるとは…。

 

 まぁ、ここまでは個人的な好みの話で済むんですけどね。

 

子供の頃(かなり先まで)の自分の感覚だと、世代が違う年上の女性って
ほぼほぼ嫌悪感しか抱いていなくて、

ビールの宣伝ポスターで、ビキニ姿の女性がジョッキ片手に立っているのとか、
マガジンなどの少年漫画誌に、たまに掲載される水着姿のグラビアとか、
ただひたすら気持ちが悪かったんですよね。
(今見てもちょっと抵抗があります。それも少年漫画を好まなかった要因のひとつでした)

アニメ版打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のなずなは、
大人の女性っぽく見えるから良かったのではなく、
地位的に対等で身近な同級生が魅力的に見える点が個人的には良かったのです。
実写版からアニメ版で典道となずなのビシュアルの距離感が縮まったのは
むしろ良いと感じていたのですよね。

 

というわけですのでズバリ言いましょう。

アオヤマ君とお姉さんの距離感が気持ち悪いんですよ!

 

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公式サイト予告特報動画より引用 この保護者とも恋人とも何ともいえない距離感…ひたすら虚無になるひとときでした。

 

 


お姉さんは成熟した成人女性ですよ…。

お友達の女性はいないのですか!?
何故アオヤマ君のことばかり相手にしているのですか!?
(途中いなくなる期間がありましたが)
物語の特性上仕方がないのですが、このような不自然な部分も気にかかります。

 

最初は近所の小学生をお姉さんが保護者感覚で相手するような感じで
キービジュアルのイメージから、他の子も交えてずっとそれで続いていくものだと
思って見ていたのですが…。
徐々に自分の部屋にアオヤマ君だけを招き入れたり、
一緒に海まで出かけようとしたり…。

これは最初の方よりも一歩踏み込んでいますよね!?

劇中で描かれている範囲なら全然問題ないでしょうが、
それ以上踏み込むと下手したら犯罪だぞこれ(笑)


自分は今まで関係性や性格付けがファンタジー
2次元のおねショタコンテンツを楽しんできましたが、
生々しさがある小学生男子と生々しさがある成人女性による
友達以上恋人未満な関係の気持ち悪さを改めて感じてしまいました。


正直、成人向け漫画に出てくるようなファンタジーな一話完結の
遊びの関係のそれよりも、心が重く交わっている分個人的にはキツイものがありましたよ。一時おねショタが全部無理になるかというところまで行ったわけで…。

 

往々に考察を重ねていく過程でこうなったのですが、
過去の自分のことと、この二人の関係で、この物語を見て、

おねショタが苦手だという方の感覚がなんとなくですが
解るようになってしまうとは想像していませんでした。

 

この二人の関係性は保護者の立場(笑)からは黙認ということで(笑)

今は多様性の時代ですからね~。

まだまだ物語に触れる経験が足りないなぁ(苦笑)

 

 

◆この物語の客観的視点(?)からの問題点と不満点の個人的考察


この物語の個人的な部分を差し引いた問題点について語ります。

まずこの映画…長いです。

119分ですよ…この物語の主軸であるアオヤマ君とお姉さんとの関係を楽しめる方でしたらそれほど長くは感じないでしょう。

しかしながら、私のような人(笑)や、子供連れの方にはこの長さはきつかったのではないでしょうか?

ちなみに先の子供向けの映画プリキュアは70分。

実に1.7倍ですよ!

これだけ長いと少なくとも小学校低学年以下の多く子供は集中が続かないんじゃないでしょうか。

それに売店でオレンジジュースを買って飲みながら見ていたら、

多い子なら上映中に2回以上トイレ退出を余儀なくされたのではないでしょうか?

この映画、端から小学校低学年以下の子供はターゲットにしていない気がします。

ジュブナイル物って基本的に大人が昔を懐かしんだりして楽しむもの

ということでよろしいのでしょうか。

 

体感の話、自分が見た回だと大人ですが上映中の出入りが比較的激しかったのと、

エンドロールで急いで去っていった方がいつもより多かった印象を受けました。

あと、ペンギンのスペクタクルを求めていた人は中盤の展開がダレて長く感じるかも。

 

それ以外だと…特に大きな問題は無いかな。

画は全体的に綺麗です。しかしながら、

未来のミライや打ち上げ花火の類のようなエフェクトどっかーんで凄いのとは違って、

作画の凄さで魅せる感じでしょうか。

ただ、お姉さんの作画デザインが微妙にばらけている感が少しありましたが。

 

性的消費の感想の話。

感想は人それぞれです。実際に見てそう感じたのであれば、
批判意見は来るやもしれませんが、私は堂々としていればよいと思います。
あと、語り手と受け手で認識に違いが生じることはよくあることですし、
作品自体は悪くはありませんので作り手としては無理に配慮をする必要はありません。
もし配慮をするなら、この映画を不快に感じるあなたに紹介した知人(?)が配慮をしなければならなかったんじゃないですかね。

 

お姉さんの謎が解けていないところに不満を感じる方を見受けますが、
お姉さんの謎が解けてしまうということは、アオヤマ少年の青春が閉じてしまうことになります。

青春とは可能性です。

アオヤマ君の青春は謎に考察で立ち向かいお姉さんに近づくことなのです。

これは自分の考えなのですがジュブナイル物で主人公の少年の青春が閉じてしまうこと、可能性が無くなってしまう最後はバッドエンドです。作中でお姉さんの秘密が明るみになるということは、小学生の子供から青春を奪ってしまうことになるんですよ。

ちなみにハマモトさんのお父さんは、娘の研究を盗み見て娘から可能性を奪ってしまおうとしたんですよね。ここはアオヤマ君のラストと対比になるかな?

これはアニメ版打ち上げ花火も同じで、最後、解釈にもよりますが典道の青春は閉じていません。

ラストの根本的な部分はアオヤマ君も典道も同じなんですよね。

 

色々と語りましたが、全体的には付け入るスキの少ない傑作ですよこれ(笑)

 

◆配点、勧める方の補足とまとめ


評価についてですが、★5つ中、★3つとつけています。

クオリティ的には4や5と比べても遜色はないのですが、

私自身物語の主軸に乗れなかったことと、

個人的には未来のミライやアニメ版打ち上げ花火の方が良かったので、

この点数を付けました。

あくまでも個人的好感度ですから(笑)

 

それにしても低評価が付きづらい映画たとも感じましたね(笑)

まず想定外(ジュブナイル苦手、おねショタ苦手、胸キュンドラマ希望、重いリアルなドラマ希望等々)の人は、キービジュアルを見ただけでまず見に来ることは無いでしょう。

微妙に予想していたのと違うと感じた人も、上映時間が長い分手広く楽しませる要素があったので、思いっきり低評価を付けるのははばかれるでしょうし。

それだけよく出来た長編アニメーションだったということだと思います。

何度も言いますが私の評価が高くないのは、話の主軸のアオヤマ君とお姉さんの関係が

個人的な感覚では合わなくて共感出来なかった。だけの話なんですよね。

(あ、あと夏の物語には特にこだわっていませんし、SFもそんなに好きじゃないです)

 

 

こうして感想を書いていると、

何だかんだ言っても自分もペンギン・ハイウエィを楽しんでいるなぁと(笑)

 

 

↓流石にここまで考察するには至れないよなぁ。自分の感覚的には(苦笑)

 

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kato19.blogspot.com

未来のミライ 感想(ネタバレ有り)『観察と考察によって創り上げられた4歳児から見るリアル共感ファンタジー』

前回の投稿からかなり時間が経ってしまいましたが、

久しぶりの映画感想ブログをやります。


まぁ、広告収入も無い完全な気まぐれ趣味ブログですので(笑)


今回は

未来のミライ

です。

もちろんネタバレ全開で感想を書きますのでよろしくお願いしま~す。

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 公式サイト予告特報動画より引用

 

 

個人的好感度:★★★★(★5個中)

◆こんな人におススメ

  • 子育て経験のある人もしくは真っ只中な人
  • 家族との関係が良好な人
  • ほのぼのとした物語が好きな人

◆こんな人にはいまいち

  • 壮大な問題解決スペクタクルを求めている人
  • 緻密な脚本・ギミック・ストーリーを求めている人
  • 意識高い系(頭でっかち)の話が苦手な人

 

◆初見の率直な感想


いやぁ、これはもう共感のツボ!ツボ!ツボ!

 

最初の街を見る鳥瞰の視点から家へパンする画の時点で

あ、これ絶対大好きなやつだ!

になりましたから(笑)

 

鳥瞰視点で街を見下ろすなんてスタジオ地図の名は伊達じゃない(笑)

 

とにかくあまりにも共感できる要素がありまくりだったんですよね~。

 

個人的なことをつらつらと書きますが


子育て真っ最中の我が家には4歳の男の子がいますし、
かつては犬も飼っていましたし(加齢で亡くなったのでさよ朝とも繋がる(笑))、
子供の頃は色々と妄想ファンタジーを考えるのが好きでしたし、
長男で妹がいますし、
さらには舞台となった横浜にも縁があるんですよね。


この映画のターゲット層ドンピシャじゃないか(笑)

 

この物語は問題解決をしてそこから劇的なエモーショナルを感じる物語ではなく、
描かれるエピソードの共感からエモーショナルを感じる物語なんですよね。
しかも限りなく4歳の男の子視点なんですよ。

そこがこの映画の初見で感じたところでした。

 

細田守の変態的演出100%


世間的には何かと注目されている細田守作品ですが

細田守作品はストーリーや脚本よりも
魅せる演出が売りだと思うんですよね。

ガチの設計士が作った緻密なまでに魅せる演出にこだわった家の設計に始まり、
現実の家の庭から4歳の男の子の世界へと切り替わるシーンに、
馬やバイク等乗物から眺める疾走感を感じる視点のこだわり、
終盤の不気味さと不思議要素の塊のような東京駅の演出に至るまで、

これだけでも映画館に来た甲斐があるというものですよ!

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 公式サイト予告特報動画より引用 圧巻の東京駅!これも細田作品ならではのもの。

あまりにも強すぎる演出のせいで鼻についてしまうと感じてしまう人がいるのも解らなくもないですが(笑)

 

◆4歳の男の子が思い描く壮大なファンタジー世界とファミリーヒストリー


突拍子もない完全なファンタジーならともかく、
4歳の男の子視点でリアルな物語を作ろうとなると、
意外と難しいと思うんですよね。

これが小学生や中学生の子供となると、
学校という共通する普遍的な舞台がありますし、記憶も比較的鮮明で
おのずと多くの人に共感してもらえる物語が作りやすいと思うのです。
しかしながら、4歳となると、幼稚園や保育所へ行っているとはいえ
学校ほど多くの人が共有できる要素は多くはないですし、
そもそもみんながみんな幼稚園、保育所へ行っているわけではありません。
そうなると普遍的な物語を作ろうとすれば、
家庭が物語の舞台となるのは必然的だと言えるでしょう。

さらには4歳のころの記憶となるとほとんどの人が
覚えていないもしくは、覚えていたとしても断片的なものだと思うんですよね。
またその記憶も親から昔のことを聞いて認識したものだという可能性もある訳です。

だからこの年頃の子視点の物語って、
どうしても大人から見た子供の物語になってしまうと思いますし、
それは仕方がないことだと思うのです。

しかしながらこの未来のミライでは、
子供をよく観察することでそのリアリティを高めていますし、
実際に子育て真っ最中の監督が作っているという信頼もあるわけで、

私も子育て世代ですが、現実パートはとてもリアル(+ちょっと理想)な物語だと感じたのですよ。

 

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 公式サイト予告特報動画より引用 子育てって必ずしも両親だけでするものじゃないんですよね。

とにかく4歳児視点の物語にこだわっていて、
リアルな家庭描画から子供の頃にやっていた(と思われる)妄想世界を
細田守の超絶演出映像美でファンタジーとして表現した世界なんですよね。

そこにいつのまにか成長した子供の成長理由として、
庭を介したファミリーヒストリーを埋め込んだ物語
これがこの物語の概要となると思います。

 

◆苦手な人が多いのは仕方がない?


映画感想投稿サイトを見ていますとあまり評判が良くないようですが、
まぁ、正直解らなくもないかと思います(苦笑)

前項でその理由は書きましたが流石に4歳児の世界観の物語はハードルが高すぎます。

他にも…

くんちゃんの声が4歳の男の子の声じゃない。
解ります(笑)

物語に1本の筋が通っていなくて脚本がやばい。
うんうん。

台詞での説明が過ぎている。
確かに!確かに!

成長物語といっても何か問題解決をするわけでもないし、
そもそも全体を通して見ても大した成長もしていない。
その通り!

未来のみらいちゃんがタイトルと違ってあまり出てこない。
お?

何故不思議なことが起こるのかが謎。唐突に過ぎる。
ん?

この家庭の経済感覚が浮世離れしている。
んんん!?

お母さんがスーパーウーマンすぎる。
いやいやそんなバカな。


間違いなく見る人を選ぶ映画だと思うんですよね。
そもそも、家族を信頼していない人にはとても勧められない映画ですし…。

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公式サイト予告特報動画より引用 くんちゃんがみらいちゃんを助けて未来のみらいちゃんがくんちゃんを見つけるこのシーンが最高潮です。


ここからはこれらの問題点について個人的な考えをつらつらと書いていきます。

・くんちゃんの声が4歳の男の子の声じゃない。
これは大人の事情も裏に見え隠れしていそうで何とも…
特に他の子供たちとのやり取りでそのギャップを強く感じましたし…
慣れるしかないのかも。
ジブリの後釜とも言われかねない細田作品の性なのかもしれません。
今一度、そういうヒットのしがらみから解き放たれた細田作品を見てみたいものですね。

 

・物語に1本の筋が通っていなくて脚本がやばい。
一言でまとめるなら4歳児視点の物語だから。です。
子供の頃ってそんな長くまとまった妄想って出来ないものです。
この間あったことなんてすぐ忘れたりするんですよ。リアルと言えばリアルですね。
もし、この物語を一本の物語としてまとめられるように見たいのなら、
庭の一本の樫の木が、くんちゃんを中心にこの家庭を見守る物語として
視点を変えて見てみてはいかがでしょうか?


・台詞での説明が過ぎている。
細田作品はわりと映像で解るシーンでも台詞で説明しているシーンがままあります。
細田作品の特徴ともいえるこのことですが、流石にリズと青い鳥を見た後だと、
もっと見る人を信じて欲しいとも思いますね。
ただ、今作は4歳児視点の物語ですから、4歳児が解らないことを回りにたずねた時の、
大人の反応としてなら、説明が過ぎる物言いになってしまうのはわりとリアルなことじゃないかな?
と私は思いました。
もちろん、説明台詞の全てがそれか?と言われると無理があると思いますが。

 

・成長物語といっても何か問題解決をするわけでもないし、
そもそも全体を通して見ても大した成長もしていない。
この頃の子供の成長なんて3歩進んで2歩下がるなんですよ(笑)
妹の未来ちゃんを認めたくんちゃんですが、この先また
みらいちゃんすきくない!
と言っても全く不思議なことではありません(笑)
私は逆に、こんな些細なことでも
映画にするとこれだけ壮大な物語になるんだなと感心しているくらいですしね。

 

・未来のみらいちゃんがタイトルと違ってあまり出てこない。

自分はこう考えました。
あかちゃんのみらいちゃんも未来のみらいちゃんも同じ存在だということです。
未来のみらいちゃんを見ているのはくんちゃんだけですからね。
電車とレールの玩具が並べられた中で
あかちゃんのみらいちゃんが何かを探しているシーンがありましたが、
あれはくんちゃんを探しているのではないかと思います。
それと最後のくんちゃんからバナナを渡されたシーンの
まるですべてを知っているかのようなみらいちゃんの満面の笑みですよ。

あかちゃんのみらいちゃんが未来のみらいちゃんになってそこに未来のみらいちゃんの記憶が入っていた、という感じでしょうか。
犬のゆっこも時間こそさかのぼらないもののそんな感じでしたよね。

 

・何故不思議なことが起こるのかが謎。
この物語は4歳の男の子とその家族との共感の物語です。
起きた不思議に理由を求めるなら、

くんちゃん自身の行動や考えを観察して読み解くしかないです。
そこに疑問を感じたり合理的な理由を求めたい方は、この映画から回れ右をお勧めします。

 

・この家庭の経済感覚が浮世離れしている。
世界的な劇場アニメの潮流がどうかはともかく、
こういうちょっと理想が入っているアニメ映画があってもいいじゃないか。
と私は思います。
それと、この家についてですが、パンフレットにあったのが、
一から新築したわけではなく、前に住んでいた人がいたもともと建っていた家を流用して建てたいわゆる"なんという事でしょう!"住宅なんだそうですよ(笑)
それに冒頭の鳥瞰の画にもありましたが、周囲の家よりもかなり敷地が狭いですし、
同じ面積の平らな敷地よりも、1000万ぐらい安くても不思議ではないと感じるぐらい、
宅地としては不便な土地だと感じました。
大体周囲の家は豪邸みたいな家ばかりですし、ガチで裕福なら共働きなんてしないでしょうし、
共働きしたとしても、家政婦を雇うぐらいはしているんじゃないですかね。
だから、個人的に思ったのは、富裕層相手の商売で少しだけ成功している
そこそこ裕福な家庭ですよねという感じでした。

 

・お母さんがスーパーウーマンすぎる。
おおかみこどもの雨と雪のはなに比べれば、
至って現実的かつ平均的なお母さんだと思いますよ。
頑張っている方のお母さんだとは思いますが。
本当にスーパーウーマンなお母さんなら、
くんちゃんの妹に対する嫉妬心にさえ先回りして的確に対応できていると思いますし、
もっと完璧にアンガーマネジメントもできているでしょうね。
おそらく男性から見れば多くの母親の姿が、
自分には真似できないことだから母親は強いって言われてしまうことの
延長線上にある感覚なのかもしれませんね。

 

未来のミライの好きくないところ


ここまでは大体好き!みたいな感じで言ってきた未来のミライですが、
いまひとつだと感じたところもいくつかありまして、
先に挙げたくんちゃんの声や台詞で説明しすぎているところもありますが、
個人的に一番問題だったのが、

山下達郎は好きくない!(笑)

なんと言いますか、イメージが固まりきってしまっている歌手の歌は苦手なんですよ。
山下達郎のイメージは、どんな歌詞の歌を歌っても、
淡いパステルカラーの少し彩度の低い水色になってしまうんですよね。
固まりきっている歌手の歌よりも、声優の声色のように作品のイメージに合わせて
カラーをある程度でも使い分けることができる知らない歌手の歌の方が好印象です。

 

あと、細田作品ではもうお馴染みのお菓子やシチューなどのタイアップ。
作品に出ているものならまだしも、
知名度と家庭的なイメージだけで採用してしまうのは個人的にはいけ好かないです。
作品に共感できるからといって、聖地などのモデルとなったものと違って
イメージだけをリアルの生活にも浸透させようというのは違います。

 

それと、JRの協力は得ているのに、電車とレールの玩具が出てきているにも関わらず
タカラトミーとの協力がなかったのは、
ああ、そういう意識で作っているんですねとなるところです(笑)真意は知りません。

青くないレールは好きくないっ!(笑)

 

あの禍々しい新幹線の車内を見て思ったのが
ああこれがデス(ヘル)グランクラスですか。と(笑)

この禍々しい新幹線と新幹線屋がこの物語の為にガチで設計した緑の新幹線も
青いレールの上で走らせたいんだよぉ!!

基本的に共感できる物語なのですが
何となく全体的に意識が高い人が上から目線で作っている感もしなくもないんですよねぇ。

 

◆個人的な共感ポイントとまとめ


この未来のミライは、家族子育て物ということでどうしても
子育て世代&子育て経験世代の人しか楽しめないと思われがちですが、
そんなことはありません。
ここからは個人的に特に共感した3つのシーンからそれを説明していきます。

 

まず1つめに、
子供の頃のおかあさんとくんちゃんが暴れ回った後、くんちゃんが家から出されて
ドア越しに叱られているのを聞いて耳を塞いで去っていくシーンです。
自分が子供の頃に悪いことをしてお仕置きとして閉め出された思い出がデジャブして
涙腺が崩壊したんですよね。その後の耳を塞ぐしぐさはうちの子供も経験ありですし、
本当によく子供のことを観察(&経験)して作られているなと感じました。

 

2つめは、
ひいじいじの青年と出会って馬やバイクに乗せてもらったところです。
自分の亡くなった祖父は馬やバイクではないものの、
一緒にこんな感じで遊びに連れて行ってもらっていた記憶があるんですよね。
この物語はファミリーヒストリーの物語でもありますから、
今は亡き家族を思い出す物語としても楽しめる要素があると思うんですよね。
お盆にピッタリの映画じゃないですか!!(笑)

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公式サイト予告特報動画より引用 この福山雅治はズルい(笑)

 

3つめは、
禍々しい新幹線にあかちゃんのみらいちゃんが連れて行かれそうになった時に
くんちゃんが必死に食い止めてみらいちゃんを守るシーンです。
ここは、共感を抜きにしても涙腺が緩むシーンなのですが、
自分も子供の頃妹のことはあまり好きじゃなかったのですが、親の話によると、
妹がいじめられそうになったときに"俺の妹に手を出すな!"って言ったらしいです(笑)
そんな記憶と重ねて見ると一層涙腺が緩んでしまったわけです。


未来のミライ子育て経験が無くても、今は亡き家族のことを思い出したり、
自分の子供の頃のエピソードを思い出したり、回りの人から聞いたりして
そこから共感を感じて楽しむことができる物語だと思うのです。

 

勿論その先にある家族とはささいな出来事の積み重ねで、

今の自分達があるのだというメッセージ性も大事だと思いますが、

子育て&子供の頃あるあるエピソードから共感して楽しむ物語でもあるわけですから、
細田さんのうちの息子スゲーだろ。な物語でも一向に構わないと思うんですよ(笑)

ついてこられるやつだけついてこいみたいな(笑)

 


激しいエモーショナルな展開も無く、解りやすいかといえば人を選ぶところもある、
勧めるには難しい未来のミライですが、
この挑戦的な映画作りは応援したいところでもありますし、
共感しまくることができた印象に残る物語でもありました。

 

あと最後にひとこと、
くんちゃんがズボンを下げたところがこの物語の最高の萌えポイントだと感じたのは私だけでしょうか!?(笑)

 

 

今回の感想紹介はこの3つです。

www.rojiurashinema.work

www.monkey1119.com

blog.monogatarukame.net

感動もの盛り沢山で涙が止まらない! 2018年冬期のTVアニメの感想

今回は
2018年冬期のシリーズ物のTVアニメの一覧感想を書きます。

特に心に残った作品はまた個別に記事を書きますが、
今回はひとことふたこと一覧で(笑)



◆2018年冬期アニメ各評


 


ヴァイオレット・エヴァーガーデン
個人的好感度:★★★★★(★5個中)

violet-evergarden.jp

京アニ恐るべし!!
全てにおいて頭1つ2つ飛び抜けたクオリティと言っても過言ではありませんね(笑)
1話での導入は女性向けの要素が強いアニメというイメージと、後に花開く伏線の種まきをしまくっているイメージがあったので
2話以降は録り貯めして後から一気に見ようと算段していましたが、これが大正解!
ほぼ全話泣いてしまいました(笑)
最終話は話を終わらせるインパクトとしてはそれまでのストーリーと比較すると若干弱く、私の物語はこれからも続くみたいなところがありましたが、
全体としては予想を超える好感触な物語でしたね!

 


宇宙よりも遠い場所
個人的好感度:★★★★★(★5個中)

yorimoi.com

途中6話から視聴しました。
脚本:花田十輝の時点で"あ、これ凄いの来る"ってなりました(笑)
1話からの積み重ねが物語の終盤にダムの結界の如く涙腺に来る物語なので、途中からの視聴に後悔しました(苦笑)
後から1話を見て、これ絶対最初から見ていたらハマっていたやつだ!ですよ(笑)

 


ポプテピピック
個人的好感度:★★★(★5個中)

hoshiiro.jp

物語の中身について考えたら負けなギャグアニメです(笑)
パロディやオマージュを含んだギャグアニメは好きなのですが、
元ネタが解るやつとついて来られるやつだけついてこい!的なスタンスが全体的に漂っているので、
本編よりもそれを見た人たちの反応や感想を見る方が楽しいギャグアニメでした(笑)
ちなみに一番好きなのは5話のイモ☆ヨバの先輩のパスを受けた時のリアクション!

 


HUGっと!プリキュア
個人的好感度:★★★★(★5個中)

www.toei-anim.co.jp

今年のプリキュアプリンセスプリキュア以来の攻めっぷりという印象です!
幼女先輩と一緒に見る大人への受けは良いかもしれませんが、メインターゲットがついてこられるのか心配になるほど攻めている回があるのでプリキュアは強いになります(笑)
あと肉弾戦最高!アクションはこういう魅せ方なら個人的には大丈夫です。
プリキュアは子供向けアニメだからといって侮ってはいけません!

 


新幹線変形ロボ シンカリオン
個人的好感度:★★★★(★5個中)

www.shinkalion.com

この期に及んでこんなにストレートで爽快かつ、時には涙腺にも来るロボットアニメを見ることができるなんて!!
そんな感じになった子供向けアニメでした(笑)
子供向けアニメ故なのでしょうか若干設定の詰めが大人の満足のいくものではないところがありますが、童心に帰ってアツくてカッコいいロボットを堪能し、時に見せる大人にも響く心情を描いたストーリーをも堪能すれば、各種ネタやコラボも仕込まれていますし、細かいところは気にならなくなるエンターテイメントとして素晴らしいアニメです。
いやねぇ‥シンカリオンを見てからというもの、新幹線を見るだけで込み上げてくるものがあるようになりました(笑)

 


ラーメン大好き小泉さん
個人的好感度:★★★(★5個中)

ramen-koizumi.com

視聴期間中ラーメンを食べる機会が増えたのは言うまでもない(笑)
声優つながりでシンカリオンのハヤト君とダブって見えました(笑)
男性向け深夜アニメの要素がスパイスみたいな感じで効いているにも関わらず
ラーメン薀蓄にも抜かりがないところが好印象でした。

 


だがしかし2
個人的好感度:★★(★5個中)

www.tbs.co.jp

駄菓子要素がもっとガッツリ来るかと思っていましたが、
男性向け深夜アニメ要素が強めかつストーリーを見せる方にシフトして
駄菓子要素はそこにプラスアルファみたいな感じだったので個人的にはちょっと残念な感じでしたね。

 


ドラゴンボール超
個人的好感度:★★★★(★5個中)

www.toei-anim.co.jp

過去のドラゴンボールからのオマージュやリスペクトが満載で
ドラゴンボールのファン(特に終盤はZが好きだった人)にはたまらない展開だったと思います!
個人的にはドラゴンボールのアツい展開に、アクセントとしてブウやサタンや第2宇宙の鳥山明節ギャグのノリがあるところが特に好きです。もちろん純粋にリアルからかけ離れたアツい展開になる終盤も大好きなんですけどね。

 

 

◆総評と今期アニメについて


本格的に深夜アニメを見るようになったのは去年の秋ぐらいからなのですが、
今期は意外と好みに合った涙腺に来るアニメが多かったように感じました。


去年のプリキュアは途中中抜けしましたが、今年は継続視聴を予定していますし、シンカリオンも毎週継続視聴予定。むしろ1週休みのシンカリオンロスに陥っています(笑)
深夜アニメは、変化球が王道(?)のギャグアニメの魔法少女俺宇宙戦艦ティラミス
好みの青春成長要素とリアルとファンタジーが上手く混ぜ合っていそうなひそねとまそたん。ジャンルとしては乗れませんがPAWORKSの丁寧な作品作りの視点から見られそうなウマ娘 プリティーダービー。往年の名作を時代間ギャップで楽しめそうなキャプテン翼あたりが楽しみなところです。

 

 

tiramisu-anime.com

anime-umamusume.jp

magicalgirl-ore.com

hisomaso.com

www.tv-tokyo.co.jp

映画プリキュアスーパースターズ! 感想『プリキュアはアツい!クローバーの花言葉がカギになる物語』

新作アニメ映画の感想です。
今回は

映画プリキュアスーパースターズ!

です。

メジャーシリーズ物は他にドラゴンボールシンカリオンあたりを見ています。

子供向けだろうが、誰がなんと言おうとも好きなものは好きなので(笑)

大きなお友だち(以下大友)?上等です(笑)

 

ネタバレありで書きますのでよろしくお願いします。

 

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公式サイト予告動画より引用

 

個人的好感度:★★★★(★5個中)

◆こんな人におススメ

◆こんな人にはいまいち

  • いちいち説明したり語りすぎる物語が苦手な人&凝った脚本が好きな人
  • ギャグテイストが苦手な人
  • HUGっと!プリキュアで描かれている社会的なものを求めている人

 

◆初見の感想・感想の要点


いやぁ…今年の春のプリキュア映画はツボでしたよ(笑)

最近のプリキュアに思い入れがある大友ならきっと泣ける話になっていますよこれ!
(ハンカチ持ってくるのを後悔するほど泣きました…最近涙もろいですね(苦笑))

 

宣伝を見た限りでは、無理に良い話にしてプリキュアとの乖離感が前面に出るんじゃないか?

という心配をしていましたが、ほぼ皆無でした。

いやねぇ、ヴェルタースオリジナルのオマージュらしい(自分は気が付きませんでした)
冒頭のミラクルライトの注意説明のジャバ長老のライトの無いお友達は…のくだりで
これ絶対大友向けの良い話になるやつだ!!
って確信しましたからね(笑)

 

テーマの"約束"
プリキュア達が戦う意味としっかりリンクしていましたし、
バトルの作画も瞬間では凄まじい熱量を感じましたし、
何よりも楽しかった!!

しかしながら、話の展開の仕方がいつものプリキュア映画よりも
若干万人向けの映画っぽくなっていまして、
これが大人をメインターゲットにする映画ならともかく、
子供向けの映画でここまでやって大丈夫かな?と要らぬ心配もしました。

 

それでも個人的には楽しくて泣けるプリキュア映画だったことには違いありません!

 

ちなみに巷のメディアでも話題になっている最新のHUGっと!プリキュア
会社や子育ての事情など社会的側面を描いた表現はありませんでした。
そちらを求めている方は日曜朝の本編に向かって回れ右をお勧めします。

 

プリキュア映画のそもそもから…


そもそもプリキュアの映画は、毎年春と秋の年に2回映画を出していまして、
毎年2月に新しいプリキュアへと切り替わった直後の橋渡し的な役割を春の映画で、
そして、その年のプリキュアの魅力が熟したタイミングで秋の映画を上映しています。

今回は橋渡し役として前回のキラキラプリキュアアラモード
さらにその一つ前の魔法使いプリキュア!が
最新のHUGっと!プリキュアと一緒に登場します。

この直近3回分まで登場するスタイルは去年からなのですが、
それ以前は全員登場のオールスタースタイルでやっていましたからねぇ。
今年で15周年ですから最後の年のオールスターの人数たるや
凄まじいものがありました(笑)

個人的には現在の直近3回分までのスタイルの方が、
より濃厚なキャラたちのやり取りを楽しめるので好きですね。

大友さんを中心にコアなファンが多いプリキュアで、
オールスターからの転換は英断と言えるでしょう(笑)

 

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公式サイト予告動画より引用 ミラクルライトのないお友だちは…(笑)

それとプリキュアの映画での定番のアイテム
ミラクルライト
小学生以下の入場者全員に配られるペンライト状のLEDライトです。
子供たちは、劇中のキャラの呼びかけに応じてこれを振るんですよね。
映画を通じて参加型の楽しいひとときを過ごすことができるというわけです。

 

◆存分に描かれている各プリキュア達の魅力!


最新作と過去2作のプリキュア達が登場する春の映画です。

そのプリキュア達が一堂に介して、各キャラの個性や魅力を見せてシリーズを超えて絡みあうんですよ!

二人の絆とはーちゃんを育てた経験が最新のプリキュアとリンクした魔法使いプリキュア!の3人と、皆の心を虜にしたモフルン(笑)

スイーツづくりに勤しむ4人の中学生とお姉さん的ポジションを見せつける2人の高校生。妖精のペコリンと長老のキラキラプリキュアアラモードの面々。

そして最新のHUGっと!プリキュアの3人と赤ちゃんのはぐたんと関西弁妖精のハリハム・ハリー。

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公式サイト予告動画より引用 懐かしい…そして尊い(笑)

世代を超えた絡み合いこそ春のプリキュア映画の醍醐味であり、今回はそれが盛りだくさんで大満足でしたね。

 

◆冴えわたるバトルとギャグ!これこそプリキュア


プリキュアと言えばなんと言ってもバトルシーンのアクションです!
特に今回は3世代のプリキュアの特徴をそれぞれ最大限に生かしたバトルになっています。決め技の必殺技も最近の映画シリーズより多く使っていましたし、

 

魔法使いということで、ほうきで空を飛んだりバトル以外でもトリッキーなギミックを魅せる魔法使いプリキュア!勢に、

 

格闘封印を謳いながらも、スイーツ由来の独特な攻撃方法で支援から攻撃もこなし他勢にも引けを取らない活躍を見せるキラキラプリキュアアラモード勢、

 

そして新人ながらTV版で華々しい肉弾戦を視聴者に見せつけたHUGっと!プリキュア勢!

 

全体的なバトルの熱量で言えば過去の映画やTV版にまだ上のものもありますが、
瞬間的な熱量で言えばあのドラゴンボールにすら引けを取りません!

必殺技のオンパレードに各プリキュアの特徴を生かしたアクション、
ファンにはたまらないバトルになっていると思います。 

 

それとプリキュアといえばギャグシーンも見どころです(笑)
コミカルな顔になって叫んでいるシーンなどは、子供たちはみんな大喜びでしたね!
プリキュアで描かれるギャグは後味が悪くない(他人を軽蔑する笑いじゃない)笑いなので個人的には大好きなんですよね。

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公式サイト予告動画より引用 こんな目のシーンは子どもたち大喜びです!

面白いと思ったのは
ミラクルライトを振れと言っているハリハム・ハリーが、本人は振らずに頭に乗っけているだけのシーン。」
子供たちからのツッコミが入り、バカ受けでしたね(笑)

 

◆今回はストーリーも侮れない!しかし…


今作のストーリーのテーマは約束。

クローバーの花言葉が物語のカギになっています。

ここでクローバーの花言葉について調べてみましょう。

ar-flower.com

クローバーことシロツメクサ花言葉

「幸福」「約束」「私を思って」「私のものになって」

そして

「復讐」

です。

 


この物語での主人公であり最新のプリキュアの主人公の
野乃はなは子供の頃、子供の頃にクローバー(映画オリジナルのキャラ)と交わした約束を不可抗力とはいえ破ってしまいます。

そこからクローバーの花言葉になぞらえて
守られなかった約束が黒幕の闇の鬼火の手を介して復讐へと変貌して彼女たちに襲い掛かってくるという物語です。


こう…文章にすると子供向けにしてはかなり重い物語ですね(苦笑)


いや、プリキュアってTV版も含めて意外と重いテーマを盛り込んでくるんですよね。
そこがまた大人をも引き付ける要因のひとつとなっているんですよ。

ちなみに花言葉の説明は劇中でされます。
万人向けの映画なら花が出てきた時点で花言葉を察してくれってなりますが
そこは子供向け作品なのか解りやすくなっています(笑)

闇の鬼火の手によってウソバーッカへと変貌してしまったクローバー。
ウソバーッカに追い詰められるはな達プリキュア
このあたりは特にシリアスさも感じられました。

そして時をさかのぼってウソバーッカへと変貌したクローバーを助け出すのですが、
時をさかのぼった先が、

約束をする前ではなく、
クローバーが闇の鬼火によって闇落ちする直前、


つまり約束を守れなかった後なんですよね。

 

時間移動できるのなら約束そのものをなんとかするという手もメタ的にはありますが、
約束してしまったこと自体は変えられない、
それでもなりたい自分になるために約束を守れなかったことを謝るという
比較的現実に即した物語に胸が熱くなりました。

時間をさかのぼるというファンタジーの手段に頼りつつも、
はながクローバーに対してやらなければいけないことまでは都合よく変わらない。

 

時間を移動する要素の楽しさは残しつつ、

ファンタジー要素(闇の鬼火)はファンタジー手段で、
現実的要素(主題である約束に関すること)は現実的手段で解決する

(闇の鬼火の影響があるとはいえ、約束自体は闇の鬼火とは関係のないことですからね
それに大人でも解決するのが難しい復讐やその償いを現実的手段で解決するのは流石に酷です)

 

これはむしろ有りだと個人的には思います。

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公式サイト予告動画より引用 約束の大切さが伝わる物語です。

 

それと仲間を奪われた絶望から、クローバーとの関係を重視したシーン、
後半の盛り上がりに向けてメリハリがついた良い展開となっています。

しかしながら、これでは子供たちの集中力が続くのかな?
と個人的には疑問に思いました。

今回の映画では子供たちを楽しませるためのシーンと、絶望へと向かうシーンや、
クローバーとの関係を描くシーンが、比較的綺麗に分かれていました。
後者2つのシーンが立て続けに長く続くと
子供たちは怖がったり退屈したりしてしまうのではないか?
と感じたのです。

実際、自分が見た劇場では子供たちが途中沈黙していた時間が、
今まで劇場で経験した中で最も長かったように感じましたし、
理由はともかく、それらのシーンで退場してしまった子もちらほら見かけました。

それと自分が子供の頃は、好きなアニメでもあまりにも怖すぎるシーン
(ドラえもんとかドラゴンボールなど)は
TVからよく逃げていましたし、もし自分が子供の頃にこれを見ていたら、
長く続く絶望的状況のシーンに、怖くて逃げだしていたかもしれません。


もちろん映画とは物語とはこういうものだということを感じてもらうためにも、
これらのシーンは削る必要はないと思いますし、

もっと子供たちを信じてよいとも思うのですが、

 

やはり可愛くてカッコよくて楽しいプリキュアであることが第一だと思うのです。
子供たちの中にはプリキュアが初めての映画だという子もいるでしょう。

まずは何よりも映画とは楽しいものだということを子供たちにも知ってほしいと
アニメ映画好きの端くれの私としては願っています。


個人的に思ったのは、重いシーンが長く続いたり重くなり過ぎないように
もっと合間に子供たちを楽しませる要素をはさむなどの工夫をしてほしかったです。

 

もっとも、その後のいちごメロンパン以降の後半の反撃&盛り上がりでは
十二分に子供たちは楽しんでいたように見られましたので
トータルとしては良い映画だったと思っております。

ちなみに脚本は米村正二
仮面ライダーの脚本で有名な方のようで、
劇場版TV版問わずプリキュアの方も経験がある方のようです。

 

今回のプリキュアスーパースターズは、
大人向けの感動アニメが好きな方にも話の内容的には相応にお勧めできる
プリキュア映画の中では映画の物語らしい作りとなっていました。

これを見た子供たちが、大きくなって昔を振り返ったとき、
子供の頃に夢中になっていたプリキュアって、こんな凄いことやっていたんだ!

って思える作りに十分なっていると思います。

 

いい歳の大人ではありますが、
これからも可能な範囲でプリキュアを応援していきたいと改めて思った映画でした。

 

そうそう!野乃はなことキュアエールの耳のアクセサリー

四つ葉ですがクローバーなんですよね!

この物語と繋がった!(笑)

 

↓参考:素晴らしい考察です!

nlab.itmedia.co.jp

 

↓参考:ヴェルタースオリジナルのCM(笑)

www.youtube.com

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 過去作感想『シャフト節炸裂!男の子の淡い恋心をリスペクトした成長物語』

このブログでは最新のアニメ作品だけでなく、
過去に見た作品の感想も書いていく予定です。
あ、念のためネタバレです(笑)

今回は、

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

です。

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公式サイト特報動画より引用

 

個人的好感度:★★★★(★5個中)

◆こんな人におススメ

  • 小中学生の頃、かなわなかった初恋をした男性
  • ギャルゲーが大好きだった人
  • 考察して謎を読み解く物語が好きな人

◆こんな人にはいまいち

  • 子供の頃の思い出なんて恥ずかしいだけで興味が無い男性
  • 解りやすいボーイミーツガールを求めている人
  • 男子のキモい(と言われる)ところが嫌な人
  • ドラマ版打ち上げ花火のなずな(奥菜恵)が好きだった人(物語の一部にされてしまいます…(笑))

 

◆初見の感想・感想の要点


まず始めに言いたいのは、

よくもまぁ奥手な小中坊男子が抱く、
無かったことにしたい、他人からは気持ち悪いと言われる
恥ずかしい恋心を、肯定しこんなにも美しく映像化してくれましたね!!

 

これに限ります(笑)

 

典道のとった行動も祐介のとった行動も
ほぼほぼ全部解る!!それな!!
のオンパレードでしたね!

女の子と過ごしたあのときをやり直すか否かなんて、
まるでギャルゲーじゃないですか!!(笑)

 

ある1ヶ所を除いてほぼほぼツボオブツボの連続で、
個人的には2017年に見たアニメ映画ではナンバー1でした。

 

この物語は考察ありきの物語なので様々な読み解き方ができるのですが、
この物語を最大限に楽しめる人の条件としては、
あのクソガキの典道(笑)に自然と共感&感情移入できる人です。
恥じらいが残ったり許容力が低い思春期には無理だろこれ(笑)

間口がめっちゃ広い(宣伝しまくった)くせに
なんてストライクゾーンが狭い物語なんだよ(笑)

 

あと、おっさんがのたうち回ってつぶやいている
ドラマ版の儚さがよかったのになんでこんな…
知らんがな!!ざまあみろ!!(笑)

◆シャフト作品ならではのダークで不思議な世界


この物語、最初はほぼほぼドラマ版と同じ展開で物語が進んで行くのですが、
シャフト版オリジナルのもしも玉を何度も投げて、その都度典道のもしもが叶う物語へと
変貌していく不思議かつダークな物語です。

そして不思議かつダークな雰囲気は背景や世界観だけでなく、
ヒロインのなずな自身も持ち合わせています。

 

さらには逆回転する風力発電の風車、灯台前の先の駅の名前、
花火の形、地面に落ちるもしも玉などなど…
そこかしこにこの物語の謎を読み解くヒントが隠されています。

 

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 公式サイト予告動画より引用 風車など背景にも注目。

◆どこまでも典道視点の物語


先に結論から言ってしまうとこの物語は

クソガキの典道がなずなへの自身の想いに向き合って成長する物語

なんですよねぇ。

 

もちろん物語の進展に必要なことや、比較して典道の特徴を際出させたいところは
客観視点で描かれていますが、少なくとも典道がいるシーンは、
典道が見ている世界なんですよね。

 

この物語の批判でよく見られる

なずなの作画が不安定

といわれている点ですが、
個人的にはこれがむしろいい味を出しているんじゃないかと思っています。

 

男性なら多分(笑)解るんじゃないかと思いますが、
好きになった女の子って客観的に見たらそれほどでもなくても、
特別綺麗に可愛く見えちゃうんですよね(笑)

そこに初期の思春期特有の定まらない曖昧な心が重なれば、
毎回違って見えちゃうものなんですよ。
とくにドキッとするしぐさのシーンとかでは、

やたらと可愛く色っぽくなずなが描かれています(笑)

これはやはり見る人に典道から見える世界を堪能してもらうために、
典道に共感&感情移入してもらうためにだと思うんですよね。

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公式サイト予告動画より引用 背景に立ち絵。ギャルゲーそのまんまですね(笑)

ただこれは、ガキの思考を馬鹿にしているような大人や、
男子のことを理解許容しづらい若い女子には大変厳しいことだと思うんですよ(笑)

 

 

◆ドラマ版とは目指しているところが違う物語


この物語はドラマ版と比べると、もしも玉の存在、なずなの母の再婚相手、
なずなも一緒に泳ぐ、自転車で逃げるところなど以外は

途中までドラマ版とほぼ同じ展開です。


あ、作品全体を通しては小学生だったのが中学生になっていますね(笑)

 

ところが典道となずなが駅に来たところから話が変わっていきます。

ドラマ版では二人は電車に乗らず、プールから花火を見て
最終的には何か教条的なことを大人達が言って濁して終わる…
というのが個人的なドラマ版の印象です。

あ、男の子みんなが叫んでいるシーンも同じですが、
ドラマ版は子供ではどうにもならない儚さみたいなものが感じられましたが、
シャフト版はこういう可能性もあるという希望みたいなものが感じられたので、

やっぱり目指しているところが全然違うんだよなあと感じました。
自分は断然後者の方が好きですけどね(笑)
同じ事をやっているのに不思議なものです。

 

◆典道と祐介の気持ちと行動を考える


安直に行動原理から二人の行動を読み解くと、
好きなのになずなへの積極的な行動をとれない序盤の典道や、
好きなのに祐介が典道になずなを譲るとか意味不明かも知れません(笑)


これなんかはもう本当に個人的に解る解る解るなところで(笑)

一言で言い切るなら結局、
あの時点では二人とも自分の気持ちには向き合えていないんですよ。

 

なずなのことが好きだからなずなを悲しませることはしたくない。
でも、表立って好きだという行動を取ったら、
仲間からからかわれたりされるし恥ずかしい。
それに、もし告白して嫌われたらどうしよう…。
それと、あいつがなずなの事を好きだというのなら、譲っても…いや…。


そんな感じで堂々巡りな状態になっているんですよね(笑)

 

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 公式サイト予告動画より引用 こんな瞳でみつめられたら…ねぇ(笑)

◆大人達は典道から見てほぼ全員ろくでもないやつばっかり


わかるわかる、大人ってクソだよねー(棒)

典道視点の物語ですからね。
目に映る大人はほぼ全員ろくな描かれ方がされていません(笑)

強いて綺麗に描かれている大人といえば、一瞬だけ映った
亡くなったなずなの父親ぐらいですかね。

 

職場恋愛先生の二人もアレですし、祐介の父ちゃんはドラマ版と同じですし、
もしも玉打ち上げる花火師のおっちゃんは酔っ払った蛭子さんですし(笑)


特になずなの家系がヤバ過ぎです(笑)

なずなの母は3回目の結婚って…
お前それ絶対奥菜恵のことだろ!?(爆)

 

それと再婚相手の男性、
お土産に持ってきたアイスが無駄にかわいくて超絶気持ち悪い(笑)
絶対なずなのことを意識して
選んできただろこのおっさん!!

今まで見てきたアニメの中でダントツでナンバー1の気持ち悪さでしたよ。

 

なぁ聞いてるか?ドラマ版のなずな(奥菜恵)にホレていたお前ら(笑)
あのアイスはホントに気持ち悪かったからな(こら)

 

ああ、俺は知ってるんだぜ、
小学生だったから良かった物語を中学生にして挙句の果てには電車に乗せちまったら原作のはかなさとか全部吹っ飛んで台無しだって言いたいんだろ?
そりゃもしも玉なんぞを使って、俺達のなずなを連れ出し、俺達の打ち上げ花火をぶち壊そうとする中坊のクソガキ典道を一発ぶん殴るでもしないと気が済まないわな(笑)

 

正直このシャフト版打ち上げ花火、毒もいっぱい含まれているんですよね(笑)
ドラマ版の熱狂的ファンだった人たちを困惑させただけでも、
個人的にはこのシャフト版打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
大大大成功だったと思うんですよね(勿論興行の話ではない)
要するにお前らドラマ版のなずなにホレたおっさん共が主役の話じゃねーよってことですよ(笑)

 

◆シャフト版打ち上げ花火の個人的に思う良くないところ


まず、

典道のビジュアル(顔)がかっこ良すぎです。

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公式サイト予告動画より引用 興行のことを考えたらこれが落としどころなんでしょうね。


Just Because!瑛太みたいな眠そうな顔してお世辞にもかっこいいとはいえない
ビジュアルの方が味が出ますよほんと。配給元の売りたい下心が見え見えです。
それだけで★1つマイナスです。

まぁチビだしガキだしこれ以上は仕方がないか。

 

それと、良くないというか単に個人的な好みとその他理由で退屈だったのが
なずなが歌う瑠璃色の地球のところ。
他の人の感想では意外にも瑠璃色の地球は良かったという人が多くて驚いたのですが、
感情移入した身から言わせてもらえば、あれは好きな人が歌うから良いのであって、
瑠璃色の地球そのものが良いわけではないんですよね。

それとあれ、ギャグテイストが許される子供向けのアニメなら
典道のやつアヘ顔で鼻の下伸ばしてよだれ垂らした絵になるシーンですから!(笑)

つまりあのお姫様と王子様のシーンって典道の妄想です。
男の子って案外ロマンチストなんですよ(笑)

 

ただ…それは自分の場合、思春期以前に済ませてしまったことなので(爆)
思春期の頃はそれだけはやるまいって思っていたんですよ。
もしも玉で戻ってもう1回瑠璃色の地球やる感じだったので駄目だこりゃって思いそうになったのですが、
2回目は妄想どころじゃなかったように描かれていたのは良かった(笑)
そのお陰で、あれは典道の妄想だということがわりとはっきり解ったんですけどね。

 

瑠璃色の地球だけは個人的には駄目でした。

 

◆最後が解らない?んな馬鹿な


蛭子さん(違う)が打ち上げたもしも玉が壊れて、もしも玉が写したあったかもしれないもしもを美しく写して、
そのかけらを典道が掴み取る。これ即ち典道はなずなへの想いに向き合えるようになって、
成長したことを意味しているんですよね。
同じようなことを経験した私みたいな人間にとっては、もしも玉を使い続けた先にある
これ以上にない美しい救いの結末なんですよ。

花火が打ちあがり、なずなとの二人だけの楽しいひとときは終わりをつげ、
キスをしてなずなと別れる典道。
その後、典道のいない教室で出欠を確認し、典道がいないことを知らなさそうな先生の声が響き、
なずなの花が映っておしまい。

え?解らない?

 

見る人に想像の余地を残しているってことです。

作り手がこれを元にお好きにどうぞって言っているんですよ。

 

追記:この結末ですでに
典道がなずなへの自身の想いに向き合って成長する物語
は描ききっているわけですから、その先は見る人の解釈や想像で勝手に描いても
物語の根幹が揺らぐことはないということです。


想像して結末を考えないと損ですよ損!!

一番考えられる解釈としては、


典道はなずなに会いに行くために、もしもの先のまさかの世界へ行くために、
教室を抜け出したと考えるのが妥当でしょう。
その先会えたかどうか?それこそ本当に見る人の想像にお任せしますですよ。

 

ここでなずなの母の再婚相手にされてしまった人たちに朗報(笑)
この結末なら想像次第で、はかない物語として終わらせる余地もあるんですよね。
良識のある大人ならその選択は必ずしもハッピーエンドじゃないということは解ると思います。

もしも玉のかけらが写したようなハッピーなことになる可能性は限りなく低いです。
そもそも、ひとり東京へ行ったところでなずなに会えるとは限りませんし、
会えたところで両親はアレですから、なずなとの関係が簡単に上手くいくわけがありません。
良識のある大人なら、典道は十中八九戻ってくる(そもそも行けたことすら不確定)ことになるでしょうし、
仮になずなと共に過ごすことになったとしても、様々なものを犠牲にしなければ幸せは得られない
ということぐらい容易に想像できるでしょう。

 

典道自身、なずなへの想いに向き合えるようになって成長したことは素晴らしい。
(振り回されていただけのドラマ版の典道よりは全然眩しいです)
だけど、その先へ進んでも現実ではろくなことにならない。
だからやはりこの物語は少年少女達が大人の世界に抗ってもがく儚い物語だ。
という解釈も可能なはずです。

 

あと、小学生だったのが中学生になってしまったのが
良くないと言われることに対しては、

もしも小6の俺達が中1でこの日を迎えていたら?

という解釈で見ていけばそれなりに納得できると思います。
そもそも、小6と中1なんて外的な環境や立場こそ大きく変わるものの、
当の子供達自身はみんながみんな、"中学生"、"小学生"と
単純にカテゴライズして分けられるほど変わるわけではありません。
安易に中学生、小学生という記号で彼らを見てはいけないということだと思います。
(これが中2ぐらいになるとまた違ってくるようですが)

個人的には小学生のガキ臭さが残る中1の男子なんてむしろリアルに感じましたよ。

 

◆見る側の考察力、想像力にゆだねる物語


なんだかんだ言っても、この物語は全体的に見る人の想像力に
行間や行く末をゆだねることが出来るように作られているので、
思春期初期の男子の気持ちを理解もしくは許容することさえできれば、
見方次第で色々と楽しむことができる物語なんですよね。

このブログでは詳しく書きませんでしたが、
当然女の子の視点でなずな側から見るのもアリだと思います。

 

まさしく


打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

どこから見るか?

それがこの物語の最大の特徴だと思うのですよね。

 

 

単にドラマ版の丸写しで良いのならそれこそ、
マッドハウスにでも京アニにでもやらせればいいんですよ。
それをシャフトにやらせるところに味があるというのに皆気が付いてほしいです。


興行的には必ずしも成功したとは言いがたい結果になりましたが、
ドラマ版の下位互換だとは言わせない魅力があるということを
これからも語り続けていきたいと思っています。

 

 

 ↓おススメ&参考になった批評です(笑)

blog.monogatarukame.net

さよならの朝に約束の花をかざろう 感想(ネタバレ有り)『監督岡田麿里の作家性全開!マキアのエリアルとの出会いから別れまでを描いた大河ファンタジー!』

 

このブログは私Hira3がアニメを中心に、
映画連ドラ作品の感想・考察を主に個人的な備忘録目的で
開設したブログです。

記念すべき第一作目は

さよならの朝に約束の花をかざろう

です。

あ、基本的にネタバレ有りで感想を書きますので

ご覧になられる方はご了承ください。

 

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公式サイトより引用

 

個人的好感度:★★★★★(★5個中)

◆こんな人におススメ

  • 思春期真っ只中な人(感受性が豊かな人)
  • 客観視するよりも主観で感じるものを大事にする人
  • ファンタジーの世界観(特にRPGのような)が好きな人

◆こんな人にはいまいち

  • 論理的に物語を解読するのが好きな人(批評が好きな人)
  • 孤独が好きな人
  • 分かりやすい感動ストーリーが苦手な人

 

◆初見の率直な感想


映画を見終わって最初に感じたのは、

直感的に何か凄いものに触れてしまったみたいな感覚がありました。
映し出される美しい背景や音楽や物語から、

黎明期のドラクエやFFなどをプレイした私のような世代には
勝手知ったるRPG由来のファンタジー世界です。
物語の世界に没入しキャラへの感情移入もすんなりでき感動しました。

しかしながら、少し冷静になって考えると、
見る人の人生経験次第で、評価が大きく分かれる作品だと感じました。
あと岡田麿里作品はファンタジーとの相性が良いとも感じましたね。

2回目見たときは、ストーリーが解っている分、
この物語で表現したいものを集中して見る事ができたので
より深く物語を見ることができ、より深い感動を得ることができました。

 

◆監督岡田麿里作品について


岡田麿里脚本作品は、花咲いろは、あの花、ここさけ(全て劇場版のみ)は見ています。
いろはは昔に見たのでよく覚えていませんが、
ここで感動してくださいみたいな作為的な展開のための感動シーンがはなについて
ボーイミーツガールな物語は大好きなのですが、構えて見ていました。


ちなみに、よく苦言される下ネタぶっ込みや
メンタルにキツい要素はモヤモヤなエンドでない限り個人的には全然問題なしです。
むしろもっとやれ!(笑)

今作のさよならの朝に約束の花をかざろうでも、
展開のためのシーンは無いわけではありませんでした。
しかしながらその多くはリアルとは違うファンタジーの世界観に没頭することで、
この世界なら無いことは無い展開として自然と割り切ってみることが出来たこと、
さらには登場キャラに共感できたことによって、
正直なところ個人的には気になりませんでした。
先に挙げたメンタルにキツい要素もそれほど感じませんでしたが、
中世近代ファンタジーだからこそありがちなことも
ファンタジーのフィルターを外して考えると、
レイリアあたりなどなかなかエグいことをやっています(笑)

岡田麿里作品はファンタジーとの相性が良いと感じたのはまさにこのことで、
岡田麿里100%の作家性を超えた人間性までもが出ているであろう癖の強い要素に、
死や理不尽が現代よりも比較的近く感じられるファンタジーの世界観が
上手くオブラートになっていると感じました。
それ故に今回は岡田麿里のこれまでの作品に見られた刺激の強い作家性は
それほどでもないと感じた人がいたのかもしれませんね。

 

岡田麿里はこれまで、どちらかというと客が求めているものを完璧に作り上げる
職人肌のクリエイターかと見ていましたが、さよならの朝に約束の花をかざろうで、
伝えたいもの、表現したいものを創りあげる
芸術家肌のクリエイターだということが作品から感じられました。

それと、癖のあるセリフや映像作品にしては言葉にして喋らせるにはクドいところは、
これも脚本家由来の作家性であり、あえて喋らせているように個人的には思います。

 

◆美しい世界と音楽と光と影の演出


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公式サイト特報動画より引用 幻想的で美しく描かれたファンタジー世界

RPGに親しんできた人たちならすんなりと受け入れることができる世界観と
美しい背景。それを見るだけでも十分に劇場へ脚を運ぶ価値があると思いますし、
美しい背景には、見る人により感覚的に物語を語り伝える力があると感じました。

昔のRPGは音声による台詞やドット絵以上のアニメーションはありませんでした。
その代わり、音楽で物語を語るところがあって、
このさよ朝のBGMでもそれを感じるところがありました。
音声による台詞や動的に語れる表現で音楽でも語りだすと、くどくなるのですが、
昔を思い出してか個人的にはむしろすんなり物語りに入る切っ掛けにもなりました。

しかしながら2回目でBGMに注意して見ていたら、意外とBGMが使われていないシーンが多かった印象を受けました。

 

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公式サイト予告編動画より引用 光と影による演出、特に逆光で映るキャラが印象的。

それと光と影の演出がとても素晴らしいです!
逆光によるキャラの影や、相対するシーンなどでの光と影の使い方にはシビれました。

 

 

◆マキアのエリアルとの出会いから始まる物語


この物語はマキアを中心にエリアルとレイリアの視点から主観的に見る物語で、
基本的に彼らの目に写らないことは語られないと受け止めました。
(もちろんメザーテ側の人のやりとりなど物語の大枠を理解してもらうために最低限の状況は語られています)

 

何故それが起きたか?

じゃなくて、

起きたことに対してマキア達はどう感じ、どう動いたか?

がこの物語を見るうえで押さえるべき大事なことなのでしょう。

 

孤独な少女として過ごした日々から始まる一滴の雫から、
エリアルとの出会いで川となり、
国家をも揺るがす激流に揉まれ、大河の如く大きな歴史の転換点に接し、
静かに流れ行く大海原へと旅立つエリアルを見送る。

 

外国語版のタイトルを見て確信しました。
Maquia:When the Promised Flower Blooms
(機械翻訳で直訳すると マキア:約束された花が咲くとき)

マキアがタイトルに入っているんですよね。(それだけで感極まるところが…)


そう、これはマキアの大河
マキアのエリアルとの出会いから別れまでの人生を描いた大河ファンタジー

と言えるのではないでしょうか。

 

 

◆引き算の美学と映画の魅力


この物語では、広大なファンタジー世界の世界観を描いていますが
世界設定や多くの人物設定について物語上では細かく説明はされていません。

広大な世界観を描きつつも、マキアの人生を描いた物語に集中してもらうために、
作品を通して伝えたいテーマを伝えるために、あえて細かい説明はしない。

広大な世界やキャラの背景を真面目に全部語ろうとしたら
時間が全然足りない、詰め込み過ぎなのは百も承知です。
そうではなく、そこからの引き算こそが2時間足らずの劇場作品ならではの
より面白く見ることができるスパイスのひとつだと思うのです。

 

追加:描かれていないことには意味があるんですよね。

 

◆母と子の関係と愛の視点から見る物語


この物語は母と息子の子育てを描いている物語でもあります。

この物語では6人の母親もしくはそれに類似した人が出てきます。

  • 実の子ではないエリアルに愛情を注ぎ育てるマキア。
  • 実の子を産んだにも関わらず触れることすら許されないレイリア。
  • エリアルとの子を産み母親にならんとするディタ。
  • マキアの母親の手本となる二人の息子を独りで育て上げたミト。
  • 死んでもなお自分の子を放さなかったエリアルの実の母。
  • そして、事実上のマキアの育ての親となっていた長老のラシーヌ

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公式サイト予告編動画より引用 ラシーヌも育ての親としてマキアのその後の人生に影響を与えている

マキアとは相反するヒビオルを織ったレイリアや、

ディタを助けることで初めて子供を産む営みを目の当たりにしたマキアなど。

 

追記:長老のラシーヌはイオルフの長、すなわちイオルフ達を繋ぐ広い意味での
イオルフ達の母ともいえるのではないでしょうか?
ラシーヌの「外に出たら人を愛してはいけない」教えが
マキア達みんなに伝わり共有されていて
最初にクリムがレイリアを救出する際もマキアの他に何人かのイオルフが集まっていました。

 


これらの母親像が絡み合って見る人により深い親子の物語として
訴えかけてくるのでしょう。


シングルマザーの子育てを描いた物語として真っ先に浮かぶのが、
おおかみこどもの雨と雪です。

おおかみこどもの雨と雪で描かれた母親像は、
母親を経験したことが無い人が語る強い母親像(娘の雪が語る母の物語でもあります)
あくまでも外側から見た母親像の物語です。

さよならの朝に約束の花をかざろうで描かれる母親像はそれすらも内包した
(エリアルはマキアのことを強い人と言っています)
母親像を描いていて、外からみれば強い母親であっても、
母親自身は母親である以前に女性であり少女であり、
始めから強いわけでも、子供を授かったから自然に強くなれるわけでも、
ましてや本能で子供を守る力が備わっているわけでもないことを、
この物語では具体的に描いていると思うのです。

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公式サイト予告編動画より引用 親子の愛とは、親から子供へと一方的に与えるものではない
母の人としての弱さ(エリアルにあたるところなど)、自らの母としてのいたらなさ、
自責の念に陥ること、そして時には子供から励まされる姿もハッキリと描かれており、
それ故に母親を経験した人から、より共感を得られやすくなっていると思うのです。


マキアやレイリアから感じられる母性の源泉は愛であり、
その愛の発端は孤独です。

愛に相反する言葉は孤独

とも言えるでしょう。

 

思春期の頃、孤独感に苛まれたことのある人なら、最初の方でマキアの感じる孤独感が解るかと思います。
エリアルがマキアに反抗したシーンと、長老たちに見守られているはずのマキアが孤独感を感じていたところに
思春期の感覚として近いものを感じました。

この物語で語られている限りでは、孤独から誰かを求める想いが愛することとなり、
それが子供を愛しむ母性や強さとして、母親を経験したことの無い人から見られるものだと思うのです。

そのことから、無償の愛などというものはなく、
愛とは誰かを愛することによって自らも満たされるものだということ

気付かされました。


個人的にはおおかみこどもよりも

男性の視点から多くの父親像と息子との関係を描いた、
バケモノの子の方が

女性の視点から多くの母親像と子との関係を描いた、
さよならの朝に約束の花をかざろうと比較して見ると面白いと思います。

 

◆この物語が描くもの


さよならの朝に約束の花をかざろうは、

別れとは、とても悲しいものだけど、
それ以上に出会いを経て共に育んできたものは、
かけがえのない尊いものだということ。

を孤独に引き込まれる人が多くいる現代に
訴えかけることができる物語だと私は見ています。

 


だから

愛して、よかった。

さよならの朝に約束の花をかざろう

なんですよね。

 

追記:◆題の”さよならの朝に約束の花をかざろう”が意味するもの


さよならの朝に約束の花をかざろう
私はこの題が意味するものにたどり着くまでかなり遠回りしたような気がします(笑)
唯一モヤモヤしていたところでしたからね(笑)
そして自分なりの解釈でそこにたどり着いたとき、
あらためてこの物語の凄さを感じました。

ここで言われている花とはたんぽぽのことです。
たんぽぽの花言葉には『別離』というものがあります。

 

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senderofview.comより引用

 


さよならの朝に約束の花をかざろうが表していることは、

別れ行く人に送り出す言葉を贈ろう。


ということなんだと思います。

この奥ゆかしさ、たまりません!!

 

再追記:”かざろう”というニュアンスから
大げさなものではなく、もっとさりげなく、そっと語りかける
言葉のことを指しているのかもしれません。

 


おおかみこどもの雨と雪でも
たんぽぽの綿毛こそ出てきませんが、
さよならの朝に約束の花をかざっていますよね(笑)

雨を送り出す際にはなが最後に言ったひとこと

しっかり生きて。

親元のはなから巣立ち、自分の世界へと進む雨に、
贈る言葉としてこれに勝るものはありませんよね。

 

さよならの朝に約束の花をかざろうでの
マキアがエリアルに贈った言葉については、
あえてこのブログでは書きません(笑)

 

実は1回目見たときは、このセリフには気が付かなかったんですよね(笑)
永久の別れの間際にシンプルながらも最上の送り出す言葉をかけるんですよ。
そのことに気が付いたときはもう鳥肌ものでした。

自分自身このことになかなか気が付けなかったのは、
別離を伴う門出を経験したことが無かったからだと思うんですよね。
本当におそろしいぐらい、見る人の人生経験で見え方が変わる映画です。


ここまでたどり着いて、
さよならの朝に約束の花をかざろう
オールタイムベスト1の映画だという人の気持ちも
解らなくもないと思いました。

このことで自分の中では、
さよならの朝に約束の花をかざろうだけでなく
おおかみこどもの雨と雪の評価まであがってしまいました(笑)

スルメなんてチャチなものじゃない、
最初のひと口からどこまで噛み進んでも美味しい
こうしてブログを書いているときも身震いが止まらない
そんな凄まじい物語だと改めて感じました。

 

 

 


さよならの朝に約束の花をかざろうを初めて知ったときは、
まさかここまで色々と考えたくなる物語になるなんて思ってもいませんでした(笑)
見る人のそれまでの人生経験、見る人の紡いできたヒビオル次第で、
複数の切り口で見ることが出来る物語だと思います。

物語の原点がマキアの思春期に感じられるような孤独感からなので、
色々と知りすぎた大人よりも、案外思春期真っ最中の人の方が
自然にこの物語を受け入れられるように思います。


マキアやエリアルに共感、感情移入できるか否か、すなわち、
マキアやエリアルのヒビオルに、見る人自身のヒビオルを重ねることができるか否かで
見え方や評価が大きく変わってくる物語なのです。

 

一見作られた感動の物語に見えるのかもしれませんが、
マキアたちのヒビオルと見ている人自身のヒビオルが重なったとき、
自然と涙があふれてくる物語なのだと思うのです。

 

これまでの作家性の強いオリジナルアニメ作品といえば、
宮崎駿細田守などそのほとんどが男性監督によるものでした。

女性作家の作家性があふれる芸術性のあるオリジナルアニメ作品は
生み出されるだけでも尊くとても貴重なものだと個人的には思います。

岡田監督には批評で突っ込まれても、この作家性を貫き作り続けてほしいと
個人的には願っております。

 

↓影響受けまくり(笑)のおススメ感想&評論です。

kato19.blogspot.jp

www.club-typhoon.com

akiba-souken.com

追記:この感想も凄い!

www.saiusaruzzz.com

tkihorolo.hateblo.jp